おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

介護生活62 老人ホームでたん生日会!

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No. 130

<2019年10月3日 私から長男へのレター>

さて、入所したての何もかもが珍しく初体験だった老人ホームも、1ヵ月すると飽きてきます。おじいちゃん(父)にとってはきっと刺激の少ない退屈な毎日。。。

 

そんなおじいちゃん、ちょうど入所1ヵ月目に誕生日を迎えました。

 

外食しようとも考えましたが、近所には何もないし、出先で立ったり座ったり、肩を揉まされたり、せき込んで死にそうになっても嫌なので。。。

 

そう、おじいちゃんの部屋でパーティーを!

 

大好きなお寿司を5人前(長男坊は受験で欠席)、近所の寿司屋で予約し、おじいちゃんの老人ホームへ持参!

 

もちろん、おじいちゃんは大喜びです!

なかなか老人ホームで一通りの握り寿司は出てきませんからね。。。

 

卵は大好きな娘に譲ってくれましたが、代わりにおじいちゃんの大好きな赤貝を娘からプレゼント。物々交換です。

赤貝好きのおじちゃんですから、大人の私も自分の赤貝はおじいちゃんに譲りました(その代わりにイクラをいただき!)。。。

 

みんなお寿司好きの家族です。

 

話は弾みましたが、あっという間に空っぽに。。。

 

お寿司を食べながら、転校して2年ほど経った娘の小学校の生活、そして高校生活を満喫する次男坊の話を聞いては、おじいちゃん、顔をしわくちゃにして笑っています。

 

気休めかもしれませんが、なんとなく我が家にいた頃よりもリラックスした笑顔が多く、罪悪感で後ろめたい気持ちを、少しの間ポッと暖かくしてくれます。

 

記憶については相変わらずです。

部屋に入ってからも、寿司を食べてる間も。。。

「いくつになった?」

「ちょっと見ぬ間に大きくなったなぁ?」

「今何年生だ?」

「へ~、5年生か?」

と、何回も同じ質問を繰り返します。

 

でも大人な娘は何度でもちゃんと答えます(笑)。

「11歳」

「前に会ったばかりだよ。大きくなったかな?」

「5年生」

「そうだよ、来年で小学校終わりだよ」

 

えらいぞ、娘!

 

こういうおじいちゃんとの生活は子供たちの情操教育にいいなっと思ってしまいます。

 

血の繋がったおじいちゃんとの交流。

年寄りへの思いやり、気遣い、やさしい言葉。。。

 

<私の心の声>

「家でも、こんな素直に親に接してくれたらなぁ~」

 

 

お家だったらもっと豪華な手料理で迎えられたお誕生日だったと思います。

でも、こんな近くでポカポカした距離感のお誕生日会もいいものですね。。。

 

入院中だった伯母さんを連れてこれなかったのがちょっと残念。。。

 

この元気な姿を今度のお見舞の時に伝えなきゃね!