相続税13 税務署には3回相談!
<2021年9月18日 私から娘のレター>
「あれ?相続税申告に値しない程度の資産と確認できたら、相続税申告は必要ないのでは?」
はい。その通りです。
恐らく、私を含む多くの小市民に相続税の支払いが生じる可能性は低いでしょう。その場合は相続税の申告は必要ないはずです。。。
「あれ?はずですってどういう事?」
「小規模宅地等の特例」を覚えていらっしゃるでしょうか?
故人とその家に同居した親族といった、ある条件を満たした場合は土地価格の80%が減額されるという制度です。これによって相続税が掛からない方も多いかと思います。
でも、この「小規模宅地等の特例」は申告制です。
つまり、申告しないと効力を持ちません。申告しないと土地価格は80%減額されません。申告しないと相続税が生じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかも、「小規模宅地等の特例」も相続税の申告と同じ故人の没後10ヵ月以内です。つまり、これを行使するには相続税の申告をしなくてはならないという事になります。
ということで、今まで粛々と皆さんに紹介した事が無駄にならなかったのではと思います。
これまでの話の中で、税務署の相談で「大丈夫ですよ。でも、最終的には税務署で判断します」といった会話がったと思いますが、土地価格の複雑な計算、小規模宅地等の特例の該当可否、資産の申告漏れ、負債の中身の正当性などは、例え税理士さんにお願いしたとしても税務署がきっちり確認するそうです。
そう、税務署は「取れるところからは税金を取る」という姿勢で申告書を性悪説で審査します(それが仕事ですから)。
ということで、相続税の申告の準備です。
税務署で「相続税の申告のしかた」という冊子と「相続税の申告書」という雛型が入手できます。これらは毎年変更される最新版を使用しないと、書き直しが求められるので注意です。
私が紹介した計算方法は全てこの「相続税の申告のしかた」に記載されており、みなさんの状況での相続税も、恐らく読めば大半は判明します。
「相続税の申告書」にも記載方法が懇切丁寧に記載されていて、みなさんでも多くは記載可能と思われます。
「相続税の申告書」に添付する資料は、「相続税の申告に係る提出資料の一覧表」に記載されています(相続の内容によって異なります)。
我が家の場合は。。。
- マイナンバーとその他、身元確認書類(免許証など):本人確認に必要です。
- 故人の戸籍謄本と相続人の戸籍謄本:法定相続人が誰なのかを特定し、その人数により基礎控除の計算の根拠とします。
- 遺産分割協議書:遺産の分割方法の合意を確認します。
- 相続人全員の印鑑証明書:遺産分割協議書の捺印が本人のものかの確認です。
- 土地・家屋の固定資産税評価証明書:土地区分や家屋評価額が記載されてます。
- 土地及び土地の上に存する権利の評価証明書:土地価格の計算方法を記載した書類です。計算が正しいかを確認します。根拠となる路線価や測量の書類も添付です。登記簿も土地の持ち分(相続される割合)の確認のため必須です。
- 預貯金、貸付信託などの残高証明書:ここは次回に詳細を記します。通帳の写しを添付します。
- 生命保険などの支払い通知書:生命保険料が控除限度額を超えたか超えてないかを確認します。
- 債務一覧:未納の公共料金や病院代、葬式代などですね。領収書の添付となります。
私は税務署に通って、下書きしたものを担当の職員さんに確認してもらいました。
職員さん、相談内容を全てメモしていたので、ある意味、確認事項が記録に残るので安心でした。もちろん、「最後は申告書の中身を精査して妥当性を判断します」と言ってましたが。。。
税理士さんHPあるあるの、「税務署に相談しないでください!」は、この記録によって、後で解釈の修正が出来なくなるということかと推察します。
ということで、なんとか記載を終え、添付資料を付けて提出したのでした。
職員さんによると、間違いがあり修正申告が必要な場合、税務調査が執行される場合は、申告後2年以内との事。なので、この日から2年間は「ビクビク」と過ごすことになります。
なお、相続税申告の時効は10年。申告が無い場合でも、固定資産税額、故人の納税状況、銀行・証券会社の取引記録などを税務署は調査していますので、催促状(申告漏れの場合は追徴金も?)が来るそうです。もし催促状が来なければ、調査した結果、申告なしと判断されたという事になるかと思われます(全部調べているとは思いませんが)。
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