介護生活106 手と手でコミュニケーション!
<2019年12月27日 私から娘へのレター>
こういう時は必ず娘の登場です。
12月末頃になると、おじいちゃん(父)、もはや声が出なくなってしまいました。
話しかけても、「うーっ、うーっ、うーっ。。。」としか返答できず。。。
そう、これは進行性核上性麻痺の症状なのです。
振り返ってみると。。。
歩行障害。。。既にずいぶん前から発症。。。
認知症。。。これが原因で同居開始。。。
肩や首周りの硬直。。。同居は始めたことから始まり、老人ホームでピークを。。。
誤嚥性肺炎。。。首の硬直で嚥下機能が落ち、2回も入院。。。
そして。。。
次が、失語症。。。というか喉が意志通りに動かず言葉にならず。。。
それがついにここへ来て急速にやってきました。
転院前のKD病院入院時では、まだ私達の問いかけに、ところどころつまずきながらもきちんと言葉で返答してました。。。
が、このKS病院へ転院して1ヵ月も経たないうちに、言葉が出なくなってしまったのです。。。
娘、おじいちゃんの様子をみながら。。。
娘:「んっ? ミトンが取りたいんじゃないの?
おじいちゃん:「うっうーっ、うっうーっ、うっうーっ。。。」
娘:「ほら、ほら、絶対これ外したいんだよ。」
おじいちゃん:「うっうーっ、うっうーっ、うっうーっ。。。」
娘:「いいよ、取ってあげるよ。ねぇ、パパいいよね?」
娘、うまくミトンを外します。
そして手をぎゅっと握って。。。
娘:「おじいちゃんの手、あったか~い!」
そう、外は12月の極寒です。。。
娘:「おじいちゃーん! Mだよーっ! わかるーっ?」
おじいちゃん:「うううーっ、うううーっ、うううーっ。。。」
娘:「あっ、おじいちゃん、手をぎゅーーっと握った(笑)?」
なんだなんだ??
娘:「おじいちゃん、Mだよーっ! わかったらぎゅっと手を握って!」
おじいちゃん:「うううーっ、うううーっ、うううーっ。。。」
娘:「ほら、おじいちゃん、手をぎゅーーっと握ってる(笑)?すっごーいっ!」
そう、おじいちゃん、しゃべれないので、手を握る事でコミュニケーションをとろうとしてるのです。
私も手を握ってみました。。。。
私:「ねぇ、もしかして手を握ってしゃべってるの??」
おじいちゃん:「うううーっ、うううーっ、うううーっ。。。」
私:「わーーっホントだ!!! 握ってきたーっ! これ凄い!」
娘:「でしょ? 握ってくるでしょ? 手でおしゃべりしてるんだよ!」
おじいちゃん:「うううーっ、うううーっ、うううーっ。。。」
これ、ほんとに感動します。
「未知との遭遇」です。
いやいや「E.T.」のあの指と指がぴっと触れるあの有名なシーン?
娘。。。子供って、こういう発見ができて凄い。
ぼくら、まず「ミトンを取りたがってる」というところに気が付かない。
なので、ミトンを取って手を握るステージに行けないのです。。。
娘は直ぐに手を握るステージに到達し、そして手と手の会話に到達するんだから。。。
ほんと、なんだろう。。。
心が澄んでるというか、自然の本能のようなものがまだ残っているの? 子供って。。。
凄いな~っ!
っと言う事で、しばらく。。。ほんとにしばらくだけでしたが。。。
手と手の会話のおかげで、おじいちゃんとぼくら家族との絆をしっかりと確かめ合うのでした。