おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

介護生活105 老人ホームを引き払う

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<2019年12月27日 私から次男へのレター>

KS病院の主治医による「終の棲家」宣言が。。。

止めを刺したのですが。。。

横浜奥地のKD病院入院から、数ヵ月間空家賃を払い続けていた横浜の老人ホームをとりあえず退去することにしました。

 

前にも書きましたが、ここの所長さん、そしてケアマネさんは、二人とも優秀かつ経験豊富、入所した本人や家族を常にファーストに考えてくれる、本当に良い方達でした。。。

 

「お父様、進行性核上性麻痺の症状に似てるわ。一度診てもらった方がいいですよ」と言ってくれたのが、看護婦出身のここのケアマネさんでした。。。予想通りの診断で、本当におみそれ致しました。

 

これまでのKD病院での経緯。。。ケアマネさんには既に相談していた中心静脈栄養への移行、東京の我が家の近所のKS病院への転院、そして「終の棲家」発言を一通り説明すると。。。

 

所長さん、開口一番に。。。

 

所長さん:「よく頑張りましたね。。。ここへ来る前も、よくここまで自宅でがんばったと思っていましたが、ここへ来てから、そしてその後、今日にいたるまで、本当に頑張りました。」

私:「そう言っていただくと嬉しいです。介護って実際にどんな状況かを知っている方に褒めてもらわないと、褒めてもらった気になりませんからね(笑)」

所長さん:「いつでも戻って来てくれていいですからね。契約書などの説明はもう必要ないし、書類の手続きは直ぐにできるからね。もちろん再入所なら敷金なんかいらないから!」

ケアマネさん:「ここを退所しても、お父様についての悩み事があったら、いつでも相談してくださいね! いつでもどこでもお話を聞きますからね!」

 

所長さんとケアマネさんの愛の溢れる言葉。。。私は感動の涙です。

世の中にこんな良い人達がいるなんて、この世界もまだ捨てたものじゃありません。

 

私:「このような結果になりましたが、急展開でびっくりです。もっと他の方法がなかったのか、父の扱いは本当にこれで良かったのか。。。って悩みますね。」

所長さん:「大丈夫です。あなた方2人の決断は間違ってませんよ。その時その時、非常によく考えていらっしゃったし。これ以上は無理ですよ。」

ケアマネさん:「お父様は幸せですよ。こんな素晴らしい息子さん夫婦にみてもらって。きっとお父様も幸せだと思ってますよ。きっとです。」

 

。。。。

 

「終の棲家」と言われた時のどんより感が、所長さんとケアマネさんとの会話で一気に癒され、心から笑顔になりました。

 

「ぼくらの選択肢は間違ってない。おじいちゃんは幸せなんだ!」って。。。

 

そして、おじいちゃんの部屋をお片付けし、自治体からもらったオムツの余りは全て施設に寄付しました。

 

おじいちゃんの寝間着やお風呂用の桶、歯ブラシに髭剃り。。。
結局、着る事のなかった外食用の皮ジャンやワイシャツ、革靴。。。
わざわざ購入した小型冷蔵庫とニトリの一人用新品テーブルは、帰りの途中、リサイクルショップで売却しました。。。

 

あぁ、おじいちゃん、ここにもう一度戻れたら良かったのになぁ。。。

 

結局、前年の10月に入所し、この年の8月の誤嚥性肺炎による入院からここへは戻れなかったので、いろいろな思い出ができましたが、1年もいなかったことになりますね。。。

 

なんとも、寂しいものです。。。