プロローグ 8 破談からさらに数年後。。。
<2019年3月7日 私から次男へのレター>
平穏な横浜生活に戻り、子育てもどんどん多忙になってきました。
時は過ぎ、上の二人は受験を乗り越え、長男Jは高校、次男Sは中学へ。
多感な男子二人の切り盛りは、かみさんとしても今まで経験のない環境だったかと。
私も仕事が一番順調で楽しかった時期でもあり、多忙で充実してました。
ということで、おじいちゃん(父)との同居については全く気にも止めない日々が。。
ところがちょっと見ないうちにおじいちゃんの行動にもかなりの変化。
歩行困難になってきているのです。。
まだ歩き回ることはできるのですが、ちょっと危なっかしいぐらいの程度。
本人はというと、
「すっかりおいぼれちゃって、まいったよ~」
いつのまにやら「要支援」の認定がおり、階段には手すりも完備されてました(後述しますが、これは自治体から費用が出ています)。
自治体から頂いた杖は「こんなもの必要ない」っといっこうに使ってくれません。昭和一桁男子の意地でしょうか(笑)?
この足の痛み、歩行困難はかなり前から気が付いていたようで、おじいちゃんによると病院のあらゆる科を回ったのに原因が見つからなかったそうです。(今から振り返ると、おじいちゃんが最終的に診断のついた病気はここからがスタートでした)
同じ話を繰り返すのは相変わらずでしたが、ちょっと気になるのが、逆にその数が減ってきたこと。多いと煩わしいですが、少ないのも心配。。。
実は同時期に良性の大腸癌で全身麻酔の手術したのですが、この退院後に急激に物忘れが多くなってきたと記憶してます。高齢者の全身麻酔と認知症の因果関係ってあるのかしら?っと、ちょっと調べてもみたのですが。。。入院も認知症を誘引するし。。
会話の内容を記憶をとどめるのが苦手になったのもこの頃。
数時間前に話した事を全く覚えてない。。。
さすがに、これには動揺します。
何度も何度も説明が必要になります。
ここで初めて「認知症?」と頭によぎる。。。
でも。。
「いやいや、ちゃんと歩くし、食事や会話もできてるし、まだ認知症ではないな。」
「老人だからしょうがないんだよ、これぐらい」
と自分にも、家族にも言い聞かせるのでした。
むしろ伯母にいろいろと身の回りのお世話になっているようなので、どちらかというと伯母の方が「身体を壊さないか」と心配。。。
えっ、同居?
よしてくださいよ。頭をよぎるのは同居破談の苦い記憶だけ。
「向こうから頭を下げなければ応じないぞ」っと
いけないとは思いつつ、そんな大人げない考えが頭に浮かぶのでした。
(今思うと、実にお恥ずかしい。。小さい人間です)