おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

介護生活68 特養からの「優先順位通知書」

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No. 136

<2019年10月13日 私から長男へのレター>

特養事務局の方との涙の面接数週間後に、「優先順位通知書」が来ました。

 

これがおじいちゃん(父)の第三者から見た特養入所の緊急度です。

 

「合計点70点」とありました。

 

合計点が何だか分からなかったのですが、判定指針に則って計算した優先度のようです。

 

内訳は介護度、本人の障害の程度、介護者の窮状、そして経済状態をそれぞれ5段階で評点を付け、合計点を算出するようです。

 

つまり、提出した申請書や私との面談の回答で優先度の一次審査が行われていたことになります。

 

申し込みの際、希望の特養ホームは複数記載ができるので、自宅から歩いて10分の地元特養(Kホーム:結構人気!)と、車で15分程の最近新築になった特養(Mホーム:人気度から考えると現実的な所)の2ヵ所を申請。

 

結果は、双方、順位としては真ん中あたり。。。それでも30人待ちでした。

 

「入所待ち」の間、判定指針に該当する条件は刻々と変わっていきますので、3ヵ月に1度は再判定が行われます。

 

おじいちゃんの場合、その後、要介護4になったので、合計点が80点になったようです。が、それでも20人待ちが半年以上続きました。。。

 

記憶では、特養の方から時々電話が掛かって来て、介護度が変ったかどうか、様子は変わってないかとか、インタビューがあったと思います。いちいち「待ち」の段階では特養へ足を運んで面接を繰り返す必要はなかったかと。。。

 

 

この過程によって、なんだか2つのある感覚を覚えました。

 

1つ目は受験的な感覚。

面談時に、いろいろな事実を正しく話せるようにかなり準備して挑みました。まるでプレゼンの試験みたい。

そして申請書に記載する内容や、おじいちゃんの認知症の様子の記載も、かなり注意深く表現したので、これもなんだか小論文の試験みたい。

要介護が3から4に上がった時なんて、先生から推薦状を貰ったような感覚。。。笑

おじいちゃんの合格を目指し一喜一憂する「父母のような熱狂ぶり」だったわけです。。。

 

2つ目が宝くじ的な感覚。

20人待ちとか30人待ちとか言ったって、列に並んで順に待つのではなく、3ヵ月に一度は要件が見直されます。つまり前の方が他の特養や老人ホームを選択したら直ぐに繰り上げられますし、施設によっては1度に数人の空きが出る場合もあるので「待ち」メンバーの中の要介護別の構成も日に日に変化があるはずなのです。

なので運が良ければ直ぐにでも選ばれるのではないかと?

だから「当たらないかなぁ~」っという宝くじ的な感覚になります。

 

 

話が変りますが、私が候補に挙げた2つの特養は比較的新築に近い建物でした。

正直、「特養」のイメージは薄暗くスタッフもまばら、いわゆる税金から割り振られる低い予算で、法律で定められた最低限のサービスで運営されているのではというものでした。

 

しかし面談に行ってみると真逆!

 

とても清潔で、スタッフさんも親切、ちょっとプロっぽい立ち振る舞い。

介護者の気持ちや状況を一生懸命汲取って判定していると実感しました。

 

ただ、入居候補者の適用性については非常によく調べており、徘徊するかとか、暴力的かとか、日常的に医療行為が必要かとかが結構入居条件に影響する感じでした。

 

おじいちゃんは歩行困難、最新の記憶が留められないなど、若干の認知異常が認められるほどだったのであまり問題にはならなかったのですが、こういった理由で入所が謝絶されてしまったら、やはり家族は大変だろうなっと思いました。

 

そうそう、そういう意味では他にも気になる事が。。。


伯母のように未婚で子供がおらず、長期間正社員でなかった方はどうなるか?

国民年金額は恐らく最低額
・パートナーからの年金のあてもない
・子からの支援がない
・持ち家が無い場合は家賃の確保が必須

 

こういった場合、有料老人ホームには経済的にまず入れないと思います。高いですから。

特養も無料ではないので、ある程度の支払い能力が必要です。収入によって支払額も増減するのですが、家賃を並行して負担するのはほぼできないはず。

特養も条件が途中で外れたら出て行かなくてはならないので、入所したからといって住居を退去するわけにはいかないはず。

 

となると家賃と特養の2つの費用負担は甚大。。。

 

これって、かなり心細い状況ですのね。

 

恐らく自治体が何らかの支援をすると思いますが、例えば酷い認知症で暴力的な方がこのような条件に当てはまった時、自治体の職員はなかなかこういった方に積極的に接触し、説明し、説得するのは難しいと思います。。。

 

世の中で良くニュースになるゴミ屋敷になってしまった方、餓死や病気で孤独死してしまった方の中に、こういった条件に当てはまってしまっている方が少なからずいらっしゃるのではないかと思ったりします。

 

いろいろな事情で無職で独身生活をしてる方も、親の資産の相続など、まとまった財産の目途が無いのであれば。。。

 

さらに兄弟がいてその兄弟に迷惑を掛けたくないのであれば。。。


十分に老後の資金を準備する必要があると思いました。。。

 

さてさて、前にも触れましたが、祖父はおじいちゃん(父)に伯母の世話をするように遺言書に遺しました。当然、おじいちゃんの息子である私は伯母を最後までの見守ります!

 

どうぞご安心くださいませ!