介護生活51 老人ホームはここに決めた!
<2019年9月12日 私から次男へのレター>
さて、おじいちゃん(父)を老人ホームに入所させる選択肢があるのか否か、まずはいろいろな老人ホームに訪問することから始めました。
スピンオフで紹介したように、幸い私達には義父さんを老人ホームに入所させた経験があるため、そのあたりの準備は万端。
ただ、心配だったのが、認知症を患うおじいちゃんを受け入れてくれるのだろうか? 受け入れてくれる場合の予算はどのようなものなのか?
おじいちゃんの場合は、もはや自立はできていないため、入所候補施設は介護付有料老人ホームしか選択肢はありません。
費用面からも東京都内は避けて、義父さんが入所する老人ホームの近くがいいと判断しました。車で1時間。これなら二人のお見舞いを同時に行く事が可能です。
そしてようやく新築で入居者募集中の綺麗なホームをみつけ出し、見学に伺ったのです。
予約を取り、中に入ると若い男性が。。。なんとホームの施設長さん。
聞けば、多くの介護現場を経験し、最近施設長として赴任してきたとか。。。
おじいちゃんの話をすると、まずは私達への労いの言葉と、我が家の環境を鑑みると既に素人の対応では限界にきていること、介護付き有料老人ホームでの一般的な生活といままでのデイサービス生活の違い、本人そして家族の負担の違い、掛かる費用の違い(ここはデイサービス7日間/週にかかる費用とほぼイコールでした)、期待されるメリット・デメリットを懇切丁寧に説明してくれました。。。
うん。ここまで丁寧に説明してくれるなら安心!
そして同席されていたケアマネさんが、また素晴らしい方でした。
長年、看護婦の経験をしているため、高齢者の病気や介護による健康への影響などの知識が豊富で、おじいちゃんの状況を説明するとすぐに「何か他にも原因があるかも知れませんね」と鋭く指摘をされます(これは後程明るみになります)。
私たちは、おじいちゃんをここに預けることにはかなりの罪悪感を伴うことを説明し、どうやったら明るく過ごせるのか? できるだけ部屋に籠らず、多くの人と接するような環境を作って欲しいと希望を述べましたが、それについていろいろと具体的な方法(とはいっても、老人ホームでできることは限られるのですが)をご提示し、「万が一ここでの生活が嫌だということになったらいつもで退所していいし、気を取り直したらいつでも再入所してもいい」とお話しくださいました。
再入所となると、契約書を再締結し敷金の支払いも生じるのですが、「短期間であれば契約書はサインするだけですし、敷金も何度も請求はしない」とも。。。
「とにかく伯母の自立が確立するまではここに置いてはどうか?」というような話の方向になりました。
この考え方は私達には新鮮で、心の中をざわつかせる罪悪感が薄れるのです。
私達夫婦の罪悪感は「老人ホーム入所=お別れ」という公式から生まれていたので、「老人ホームは伯母が完全に回復するまでの仮の宿」という考え方は、かなり気分的に楽になったのです。
結局、その後、この老人ホームを入所し、遂に退所することは無かったのですが、その経緯はこれから詳しくご紹介したいと思います。