おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

介護生活47 おばさん初めてのリハビリ病院

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No. 115

<2019年9月8日 私から長男へのレター>

義父さんのスピンオフシリーズから、久しぶりにおじいちゃん(父)介護生活シリーズへの復帰です。

 

が、まずは伯母さんの骨折&入院の続きから。。。

 

 

恥骨骨折で入院中の伯母さんは、特に手術は無く安静な生活が必要なだけなので、薬による痛みのコントロールが終ると治療終了、リハビリ病院への転院が必要となります。

 

以前、ソーシャルワーカーさんと主治医と私達との連携で、大きなトラブルのあったK病院ですが、全員に前科があったせいか、今回は無理のないスケジュールで転院の手続きが進みました。(前回は私のわがままで申し訳ないです!)

 

残念ながら、紹介されたD病院は自宅から自転車圏内の第一希望の病院ではありませんでしたが、会社帰りに寄れる場所、タクシーでもそんなに運賃の掛からないところですので、駄々をこねずに即了承です。

 

 

実際に行ってみると、一昔前の風情の残った病院。

 

僕らが子供の頃にみた古い鉄筋の外観。院内の廊下はLEDではなく蛍光灯の薄暗い感じで(LEDになれると昔の蛍光灯が暗く見えますね。。。)、床は板張りでミシミシと、ナースステーションはいまのようなオープンな感じではなく、戦時中の病院シーンに十分使えそうな、パステルグリーンの木枠にガラスがはめられた、なんとも風情のある感じでした。

 

一方で、これから何度も経験するリハビリ病院によくありがちな情景として、総じて寝たきり老人が多い! そしてその老人達もあまり状態の良くない方が多い。。。

 

数週間、通うとわかってきますが、家族のお見舞がほとんどない方。。。息子夫婦が共働き、あるいは自営業なので来れない、遠方で来れないなど、いろいろな事情があるのかと思いますが、小さくなって縮こまって寝込んでいる彼女を見ていると、なんとも切ない気持ちになってきます。

 

子供達をどんなに苦労して育て上げ、その子供達とどんな関係、絆を築き上げ、今どうしてこのような状態になってしまっているのだろうと思うと。。。いろいろと想像してしまいます。

 

また、伯母は相部屋でしたので、同室の方には少し認知症か、あるいは精神を病んでいるのか、独り言を呟く人、奇声を発する人、いろいろな症状で苦しんでる方がいました。大きな病院からは、治療が終了すると、こういった方々も自立させるためのリハビリ病院に転院し、集まってくるのです。。。

 

当然ながら、骨折とはいえ身体も精神も比較的正常な伯母にとっては、かなり我慢の強いられる環境となります。

 

伯母:「早く退院したいわ~っ、こんなところに長くいたくないわっ」

私:「しっかりリハビリして、骨折しないような強い身体になってね」

伯母:「リハビリ、ちゃんとやってくれるかしらね、前なんか何もやってくれないのよ!先生だって全然見に来ないの!」

私:「ちゃんとやってくれるからしっかり!」

 

伯母はよく、「リハビリなんて何もやってくれない」とか「先生が回診に来ない」と苦言を訴えるのですが、実際にはちゃんと病院はやってくれています。

 

伯母の身体の状態にあったリハビリメニューが行われているのですが、それを「お遊戯」みたいに見えるのかと。。。笑


先生の回診は、昔と違って恐らくとっても若くみえる先生が多く(伯母は当時90歳直前でしたので、50~60歳台の大先生も若手もいいところ)、看護士と間違えてるのかと。。。笑

 

まぁ、そこは親切にあれこれ解説してあげても、あくまでも本人の印象で物事は進んでいくので、ここはそっとしておいて。。。はいはい聞くだけに。。。

 

 

それよりも驚いたのが、おむつや尿取りパッドなどの介護ケア商品が、ここでは持ち込み禁止、月3万円ほどの請求がくるとのこと。。。

 

今まで、おじいちゃんも伯母も大きな病院での入院しかなかったからなのか、我々にいろいろなパターンの入院経験がなかったのか。。。初めての経験。

 

確かに、おむつや尿取りパッドの在庫を考えながら、ドラッグストアで買いだめするのは面倒で、ご経験のある方は分かりますが、結構重いですし、かさ高い。。。

 

病院で同じ料金で用意してくれるならラッキーと思いましたが。。。お値段は、私のその後の経験でもだいたい2倍以上は違います。

 

重くてかさ高いなんて文句は言ってられません。半額で済むならっ!

 

これに寝間着がだいたい2~3日に1回、タオル、手ぬぐいセットは洗顔・入浴があるので毎日交換と言うことで、この基本的なランニングコストだけで月数万円の出費となります。

 

これは健康保険の範疇外なので全部自腹です。。。

 

私達も早くここから出たいという気持ちに。。。

 

ただ、冷静に考えると、病院に頻繁に来れない方にはありがたい制度ですね。
また、先ほどの認知症や精神を病んでる家族の退院を待つ方にとっては、家での受け入れの準備や、しばしの介護休養ということで、できるだけ長く病院に滞在して欲しいと願ってる方もいるに違いなく、そういった方にとっては老人ホームより遥かに安価に預けられるところですので、そういった問題を抱えた家族にとっては受け皿になっているんだなふぁ~ っと感じざるを得ませんでした。。。

 

事実、入院時にこのD病院の主治医に念押しされたのは、「必ず1週間に1回はお見舞いに来てください」でした。家族のお見舞なんて当然と考えていた私にはびっくりの質問。。。

先生によると、酷い家庭では(事情があるにせよ)、数ヵ月全く来ない、退院まで1度も来ないという家族もたくさんいるそうです。。。考えさせられますね。。。

 

 

一方、看護婦さん達はとっても親切な方ばかりでした。

 

古い病院のせいか、肝っ玉母さん的な看護婦さん、ちょっとヤンキー風の看護婦さん(失礼!)がテキパキ動き回ってます。

 

お食事時やお薬服薬時、痰の吸引シーンにも時々出くわしましたが、皆さん根気よく患者さんのペースに合わせていらしゃる。仕事ですし、相手は病人ですので当たり前と言えば当たり前ですが、これって大昔なら家族や親族のお仕事。保険制度の充実と、核家族化と看護婦さん達の奉仕の精神の賜物で、お見舞いに行くたびに、こういったシーンを見るとちょっとした罪悪感と劣等感を感じてしまいます。。。

 

今まで自分の病気やケガで入院した時の経験とは全く違った世界が、ここリハビリ病院では繰り広げられているのでした。。。

 

看護士さん達。。。本当に脱帽。。。みんさん素晴らしいです。

 

ということで、計6週間(41日間)の入院中、私とかみさんは週2回、伯母のところに通ったのでした。。。