介護生活23 タクシーの運ちゃんはやさしい!
<2019年7月6日 私から次男へのレター>
おじいちゃん(父)の主催の月に一度のお食事会では、おじいちゃん、お店までタクシーで連れ出します。
タクシーには4人まで乗れますが、私の家族だけで5人。
よって、残り2人は徒歩や電車で現地集合です。
ところで、車椅子のおじいちゃんをタクシーに乗せる際、タクシーの運転手が実に親切で驚きました。
近所のレストランですから、電話で呼んで送迎料金が追加されているならまだしも、流しで拾った時などなんかは1メーターか2メーターの近距離。
みなさん、タクシーの運転手のイメージでどうでしょうか?
個人差はありますが、少なくとも近距離の場合は、なんだかムッとした感じで乗せられ、終始会話もなく。。。ちょっと気まずい思いをしながら時間を過ごすというのが私のイメージ。
ところが、車椅子のおじいちゃんを見ても、流しのタクシー、きちんと停まってくれるし、直ぐに外に出てきてお手伝いもしてくれます。
タクシーの運ちゃん、こんな感じ。。。
「車椅子、ゆっくり降りてくださいね~ 慌てなくてもいいですからね~」
「車の屋根に頭をぶつけないようにね~ 座る位置はここでいいですか~?」
「車椅子、トランクにはこんな形で収納しますが大丈夫ですか~?」
「シートベルトもゆっくりしてくださいね~ 大丈夫ですよ~ 待ってますよ~」
「では出発しますよ。動きますからね~」
「近場? 全然気にしないでくださいね~」
全部が全部ではないですが、いろいろな運ちゃんの言葉を書き出すとこんな感じ。
時には。。。
「お孫さんと食事ですが、おじいちゃん、幸せだね~」とか、
「息子さん夫婦で偉いね~ 最近は会いにも来やしない子供達が多いからね~」とか、
「親孝行していて立派だよ~」とか。。。
介護生活はあまり外で自慢する話でもないので、気が付くと誰も褒めてくれやしない。
労ってくれる人は確かにいるけど、実際に何をしているのか直に見たこともない。
家では、毎日来てくれるヘルパーさんやデイサービスのスタッフさんに頭を下げる毎日で、他人ばかりに感謝していて。。。
そんな時、一部始終を眺めているタクシーの運ちゃんからこうした言葉を頂くと、なんだかくすぐったくて嬉しいものです。
思い切って、一人でタクシーに乗った時、運ちゃんにこの経験を話して訊いてみた。
私:「こんな事があったのですが、何でこんなに親切なのですか? 車椅子とか年寄りは時間がかかるし、ましてや短距離だと割に合わないのでは?」
運転手A:「ははは、タクシーはまさにこういう時に使っていただくためにあるんですよ。景気がいいわけでもないし、遠慮なく使ってくださいよ。」
運転手B:「ちょうど自分の両親ぐらいのお年の方だと他人事ではないしね~ 当たり前のことですよ。」
中にはこんな方も。。。
運転手C:「実は、私の父も認知症で、時々、徘徊とかするから会社辞めてタクシーの運転手に転身したんですよ。会社勤めじゃ対応できないからね。。。だから他人事じゃなくてね。。。」
もちろん世知辛い世の中ですから、路上スルーの運転手さんも多いだろうとは思いますが、おじいちゃんが亡くなるまで、そういう乱暴な運転手には一度も会わなかったのです。。。
なぜだろう。。。?
おじいちゃんの人徳?。。。。笑