おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

介護生活14 一瞬だけ行方不明!!

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No. 68

<2019年6月22日 私から次男坊へのレター>

そんなある日、決定的な事件が!!

 

この日は快晴の朝。

年をとっても髪はちゃんと伸びます。

おじいちゃんも2カ月に1回は床屋に行くわけですが、いつも一人で馴染みの床屋に予約を取り、タクシーに乗って行くのでした。

 

ある朝、床屋の日がやってきました。

 

例のごとく、「そんな約束したかな~」から始まり、「いやいやおじいちゃん、云々。。。」と説得し、タクシーで送り出します。

 

ところが。。。

 

床屋さんから電話。

「あのー、おじいちゃん来ないんですけど。。。今日はキャンセルですか?」

 

当時、私は出張中でかみさんが対応していたのですが、当然、うろたえます。
あー、携帯電話、解約せずに持たせたら良かった。。。

 

「えーーーーっ、どこに行ったのーーー?」

 

ただ、この時のかみさんの五感は凄かった。

チャリンコにのってまっすぐ向かったのが、おじいちゃんの主治医のいる大病院。

 

無事発見!

 

おじいちゃん、病院の喫茶店で一人コーヒーを飲んでいたそうです。

 

聞くと、「どうも予約が取れていなかったらしい」、「せっかく来たからコーヒーでも飲んで帰ることにした」。。。そうです。

 

かみさん、自転車を病院に放置し、おじいちゃんとタクシーで無事に帰還。。。

 

ふーーーっ

あーびっくりした。

一瞬だけ行方不明。。。

 

 

でも、全国各地のお年寄り。。。こうやって行方不明になるんだ。

 

よく、衣服に名前と住所を書いておいた方がいいと聞きますが、なるほど、こういうことだったんだ。。。

 

今はどうだか知りませんが、昔ニュースでやってましたが、自治体などが身元不明の徘徊老人を保護しても、個人情報保護法によって、本人の承諾がない限り顔写真を公開できないとか。。

 

家族は不明家族を捜索しても、写真での照合ができないので、本人が自分の名前を言えないかぎりなかなか見つけられないとか。。。

 

さらに数日前のニュースでも高齢者の行方不明が年々増加し、かなりの数がいらっしゃるという事なので、どこかの自治体に保護された身元不明の老人たちがどんどん増えているのかもしれません。。。

 

暴力性のある認知症老人の場合は、家族も積極的に引き取りに行かないケースもあるのではとも勘ぐってしまいます。。。。あるいは他人を傷つけないように必死に探しているかもしれません。。。

 

これも数年前、徘徊老人が電車事故を起こし、電車会社から高額の損害賠償を家族に対し請求するという話も記憶に新しく。。。

 

こういう事件が起き、さらにこのような事態をうまく処理できない社会の未成熟な状況を垣間見ると、家族はますます委縮し、高齢者を外に出したがらなくなる。。。引きこもり? というか引きこもらせ老人が増えてしまいますね??