おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

資産の整理15 大人の休日倶楽部!

 

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No. 40

<2019年5月1日 私から長男へのレター>

「令和」に入り最初の投稿です。。。

 

おじいちゃん(父)、まさか元号が変わるとは思ってもみなかっただろうな。。。

 

 

さて、「資産の整理」シリーズも思い出せる範囲で、とりあえずこれが最後。

 

おじいちゃんのActivityを如実に表す「大人の休日倶楽部」についてです。

 

おじいちゃんは。母との旅行がとても大好きで、これは私達夫婦にも思いっきり引き継がれ、夫婦二人で子供を置いてキャンプに行くぐらいですから(笑)。
長男には「一人旅」という形で遺伝していますね。

 

以前、紹介したおじいちゃんの写真アルバムも半分以上が母との旅行。日本だけでなく海外ツアーにもしょっちゅう行っていたようです。

 

ツアーで知り合った仲間とは、旅行後にも食事会や次のツアー計画等と、継続的なお付き合いもあったようで、おじいちゃんが亡くなってから、そういった方々への連絡が取れずに困っております。。。。

 

さて、断捨離の過程で大量の「大人の休日倶楽部」の会員手帳が出てきました。
ここには利用の記録があり、当時のおじいちゃんと母との旅行の足跡がうかがえます。

 

母との思い出の足跡。。。大事にとって置いたのでしょうか?

 

 

ところが、母が亡くなってからは一度も行使していない。。。そんな未使用手帳が5~6冊出てきました。

 

どのページも空白で使用感なしの新品。。。なんだか悲しい。。。

 

ここ数年分にいたっては、送られてきた封筒に入れっぱなしだし。。。

 

これは認知症のせいというか、一緒に行くべきパートナーを失い、ほっておかれたというか。。。なんとも寂しい状況です。

 

「これ使って国内旅行を楽しんだの?」とおじいちゃんに聞いてみたりしても、反応はいまいちパッとしないし。。。

 

それにしてもJRの乗車料金が30%引きみたいなので、老夫婦の新幹線旅行にはぴったりだったのですね。65歳以上になって、夫婦会員にもなったみたいだし。
さすがに青春18きっぷでは老夫婦の旅行は無理かなぁ。。。

 

ただ、通帳で毎年会費が引かれていることが判明、ちょうど会費を引かれた直後に気が付き、解約の電話をすると、快く返金の手続きを取ってくれました。どこかのカード会社と違って、さすがJR! 粋な対応に感謝ですね。

 

 

さて、今回の「資産の整理」で感じたこと。

 

なんだか老人からカードを取り上げたり、会員を解約するのって、やってる最中は「おじいちゃんのため」って思いが強いのですが、いざ完了すると「おじいちゃんの楽しみを奪った感」に苛まれます。。

 

おじいちゃんがカードを作ったり、何かの会員になったまさにその時には、何らかの理由なり目的があったはずで、すくなからず母や家族を楽しませるために加入したはず。

 

その痕跡(log)をひとつずつ消去(delete)していく感じ。。。

 

本人の了承はとっているとは言え、認知症なので強引と言われれば強引だし。

 

時々「そのままでもいんじゃないか?」と言われても「会費がもったいない」とか「管理が大変」など、介護者目線での判断でぱっぱっと決めてしまっていた感が。。。。

 

これがなんとなくすっきりしないというか、爽やかな気分になれないというか。。。

 

そんな時にかみさんに話すのですが、「いやいや、おじいちゃんのためになってる。全く問題ない行動だよ」と言ってくれます。

 

そう。同居が始まったら、実際の介護実行部隊となるかみさんからしてみれば、おじいちゃんの状況は私よりも良く観察しているし、これから自分がどんな状況になるかも考えるので、身内の私よりもこういった生活に直結する「憂い」に対してはきっちり整理しておいた方が良いと考えているようです。

 

はい、私はなんだかんだで日中は会社だし、出張があれば一人になれるしね。

 

ということで、「罪悪感を感じた自分」を大切にしつつ、「着々と同居の準備ができてきた」と自分に言い聞かせるのでした。。。。