おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

資産の整理9 保険の満了のセレモニー

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<2019年4月20日 私から長男へのレター>

以前、おじいちゃん(父)の保険の整理の話をしましたが、1つの保険がようやく満期を迎えました。

 

保険会社に積立金の入金の依頼をすると、やはり本人からの手続きが必要で、どうしても家に訪問して、おじいちゃんにお礼がてらご挨拶したいとの事。。。

 

銀行の冷たい待遇を受けた後なので、「なんと手厚い!」っと喜んで訪問を許可しました。もちろん、私も実家に行って同席することに。。。

 

やってきました、保険のおばちゃん達。。。

 

しかも3人!

 

昔ながらの清潔ですっきりしたいでたちで、笑顔も愛想も素敵。
人相手の仕事には必須のスキルですね。

 

気持ちよく家の中に招き入れ、一通りおじいちゃんの最近の出来事や健康状態などの会話を。。。。

 

ところがです、あれよあれよと別の保険商品の説明をおじいちゃんにし始めた。。

 

確かこんな話だったかと。。。

「積立金を元金に低い保険料でもっと手厚い保険はどうでしょうか?」

「まだまだお元気そうなので、健康へのサポートは継続してはどうでしょうか?」

「資産運用としても最適です」。。。

 

みたいな。。。

 

おじいちゃんとしてはありがたい申し出なのかもしれませんが、おじいちゃんの暮らしを見守る私たち家族としては、できるだけ出費の管理はシンプルにしたいというのが心情、本音です。。。

 

私が同席していたものの、おじいちゃん、ほいほい署名をしてしまいそうな勢いでした。。。

 

「きっぱり俺が断ってやる!」とも思いましたが。。。

 

でも、ここはおじいちゃん自身の問題。私からきっぱりお断りするもの「おじいちゃんのリスクを考えないバカ息子」、「おじいちゃんの満期のお金を巻き上げるダメ息子」と思われそうなので。。。

 

私:「おじいちゃん、満期のお金どうするって。他の保険とかに切り替えたらどうだって言ってるよ。」

おじいちゃん:「そうか。。。よくわからないから、お前が判断してくれ。」

私:「健康保険も後期高齢者だから1割負担だし、他にも健康保険入ってるから、もうこれ以上はいらないんじゃない?」

おじいちゃん:「おれは、ちゃんと生活できるだけのお金はあるのか?」

私:「だいじょうぶ。貯金も年金も十分。なにかあったらぼくらもいるよ。」

おじいちゃん:「わかった、お前に任せるよ。」

 

ということで、保険のおばちゃんには継続や新規契約を丁寧にお断りして、気持ちよく帰って頂きました。

 

そう、ここでもそうなのです。

 

もし、ここに私が同席していなかったらどうなっていたか?

 

まず、このおばちゃん達、おじいちゃんが他にどのような保険に加入しているか一度も質問をしない。「他の保険への切り替え」や「さらなる健康サポート」は、今のおじいちゃんの加入している保険を把握してから話すべきなような。。。

 

しかも後期高齢者保険で、月当たりの支払い上限も決まっているので、よっぽどのことがないと、自腹で払えなくなるというリスクはなくなっているし。。。

 

おばちゃん3人が最悪のリスクの説明し、不安をあおったら、多くの気の弱い老人はビビってサインしちゃうような。。。

 

それよりなにより、私がいなければきっと、保険のおばちゃんに「一番ベストというならお任せする」とも言いかねない。。。おばちゃん達、悪い人には見えないしね。

 

老人にとっては実に逆らい難い状態だったかと。。

 

はい、保険のおばちゃんも仕事ですし、生活が懸かっています。
おじいちゃんへの説明も丁寧かつ、嘘はありませんでした。
老人に寄り添った、きちんとした営業活動だと思います。

 

しかし、家族がこの光景を第三者的に眺めると、保険の押し売りに他ならない。家の中に入れてしまった以上、帰ってもらうには忍びないですしね。。。

 

しゃべっていれば本人の判断能力がかなり低下しているのは明らかですし、それなら同席している家族に向かって説明してくれればいいものの、あくまでも本人に「うん」といわせたいような説明。。。

 

まだまだこういった類のエピソードは続きますが、この頃すっかり「老人に群がる(悪気のない?)営業」、「老人から(悪気はないが?)少額のお金を吸い上げる企業根性」という世間への偏見に凝り固まった私は、こんな感じで保険のおばちゃん達を疑ってかかっていたのです(おばちゃん、スミマセン!)

 

ご両親が高齢者のみなさま、保険のおばちゃんの訪問時には必ず同席しましょうね!