おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

プロローグ6 同居のためのリフォーム計画は…

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No. 6

<2019年3月1日 私から娘へのレター>

いろいろと葛藤はあったものの、家族のモチベーションを高めるための秘策として、狭いマンション暮らしを脱し、一軒家の実家の完全リフォームをすることを考えた。

 

・広く十分な間取りで悠々自適のキッチンにリビング
・日のあたるポカポカとした寝室
・子供達にはそれぞれに夢のあるお部屋を
・湯舟はゆったり、たっぷり
・壁は白を基調にレンガ模様も
・余分な家具のないすっきりとしたお部屋
・etc.

 

ということでまずはリフォーム会社と相談することにした。

 

合い見積もりを取るため3社に声を掛け、おじいちゃん(父)と同席での面会予約を取り、週末に簡単な間取りのチェックをしてもらうことに。

 

リフォーム会社の来訪で、にわかにおじいちゃんに変化が起きてきた。。。
この家はおじいちゃんが友人と設計し、母と共に建て替えたものだ。
設計には工夫が尽くされ、一寸の迷いも間違いもなく完成を遂げたものだったのだ。

 

そんな話をリフォーム会社の面々にコンコンと説明。

 

もちろん彼らも家の主の話に「へ~っ」、「それは凄いです!」、「なるほどはるほど!」と合いの手を取る。さすが営業トーク
今回の間取りチェックの企画をした息子(私)の話もちょっとは聞けって感じ(笑い)

 

 

そして数か月後にリフォーム案を持ってくることになるのだが、
嫌な予感は的中。。。

 

おじいちゃん、
「そもそもリフォームなんて考えなくていいじゃないのか?」
「まだまだいい家なんだから、手を入れる必要はないじゃないか?」
「いまある部屋をみんなで割り振ればいい話じゃないのか?」

 

渾身のリフォーム案を持ってきた業者さんは「えーっ」という顔はしてませんでしたが(笑)、心の中では「えーっ」という表情に。。。
多くのスタッフさんが関わったであろう苦労の結晶、「リフォーム案」。
どんな人達が、どんな気持ちで、どんな会議を経てGoをもらってここまで来たのか。。


新人ちゃんの初仕事かも? ベテランさんの「これでもか」仕事かも? 引退間近のおやっさん最後の仕事かも? ダメ出しを繰り返してようやくOKを得た涙の案かも? 
いろいろなシーンが目に浮かび、あぁ。。サラリーマンの一人として心が痛む。。。

 

ここでハシゴを外された私だってもう泣きそう。。。

でも、さすが百戦錬磨の業者さん。
こういう場面は慣れているらしく、
おじいちゃんにはこう返す。
「こんなにりっぱなお家ならまだ大丈夫ですよ」
「リフォームはいつでもできますからね」
「慌てずにゆっくり考えましょう」
「弊社はいつでもお呼び頂ければ飛んで参ります」

 

そして帰り際に私へ耳打ちを。。。
「息子さん、こういう事は何度も経験しているのでお気になさらずに」とか
「ゆっくり説得していきましょう。息子さん、ここは慌てないことです」とか
「このリフォーム案はちゃんと残しておきますから、いつでもお呼びください」とか

 

優しいこと言ってくれちゃって。。。

 

そんでもって横でかみさんはニヤニヤしてるし。。。