おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

スピンオフ13 マンション型有料老人ホーム

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No. 113

 <2019年9月2日 私から次男へのレター>

マンション型の有料老人ホームに行こうと決めてからホーム探しが始まりました。

 

週末にいくつかの老人ホームにアポイントを取って見学三昧です。

 

 

さて、老人ホームを決める時に熟考しなくてはならないポイントがあります。

 

まずは交通の便です。
ホームから持病の通院がありますが、これをヘルパーさんにお願いすると時給数千円とられます。やはり何とか通える範囲であれば、家族が付き添うのが得策となります。
でも、横浜だと同居計画中のおじいちゃん(父)の東京の実家からは片道1時間。
やはり東京に来てもらうのが一番と考えました。。。

 

ところが。。。

 

東京と横浜では1ヵ月当たりの費用が約10万円超高いことが判明。。。

 

家賃だけでなく、介護費や備品等のもろもろにもお金がかかるのです。最低でも月の年金額を超えたくありません。。。

 

そうするとロケーションはやはり横浜になります。。。

 

もっと節約したいなら小田原や伊豆といった選択肢も実はあるのですが、先ほど触れました通り、ここまで遠くなると通院やもしもの時に駆けつけることができないのです。

 

やはり目安はベースとなる実家から1時間圏内がベストかと。。。

 

 

次に、建物や設備。
いくつか回ると老朽化した施設も多々見受けられます。水回りが汚かったり、床が割れてたり、便所が共用だったり、お風呂が共用だったり。。。
古いところほど、昔ながらの間取りで介護が実施されてたりと。。。

 

やはり新築が良いですよね。。。
清潔だし、今時は駐車場も完備されてるし。エントランスが綺麗だと、外出などのお誘いにも行きやすいです。子供達も明るい雰囲気のホームの方が気兼ねなく付いてきてくれそうです。

 

職員さんや入居者などのホーム雰囲気も。
こちらも古い場所だとどうしても長期間滞在の長老さんもおり、職員さんすらお歳を召してたり、開催してくれるイベントの内容もあか抜けてなかったりと。。。


どうしても入居者目線でなく、私達、身内目線で選択してしまいますが(笑)、これから長きにわたってお世話になるのですから、気持ちよくお迎えに行けるような、喜んで通えるようなところが絶対にいいですよね。

 

結局、昔のエピソードにもありましたが新築好きの義父さんは二つ返事で新築老人ホームを選んだのでした。。。

 

説明通り、ちゃんとマンション内に介護センターがあり、ほぼ介護付老人ホームと同じシステム。毎日の定時に様子を見に行ってもらったり、お風呂やトイレ介助もしてくれるので安心です。食事は大きくて清潔な食堂があって、1週間前に予約をすればOK。

 

まだまだ元気なマダム達もいっぱい入居しており、明るい雰囲気。外食も頻繁に行けそうです(車椅子生活に突入した義父さん単独での外食は無理でしたが。。。)。

 

 

一応、最終確認として、面談の時には敷金・礼金や突然の退所が可能なのかもチェックしました。肝心の義父さん本人が数日で気に入らなかったら、直ぐに出たいと言い出すかもしれませんから。。。
幸い、ぼったくりの敷金・礼金を取るホームはほとんど皆無でしたが。。。

 

 

それにしても、世の中にはいろいろな老人ホームがあり、いろいろな事情で入所している方たちもたくさんいて、そこで働く心優しいヘルパーさん、ケアマネさん、給食係などの事務職の達もたくさんいて。。。

 

要介護老人を3人抱える私達にとっては、「行き場がなくなるわけでもないんだ」、「こういった施設が我々の生活を守ってくれるんだ」と、何だかちょっと安心したりしました。。。

 

老人ホーム入所については、「申し訳ない気持ち」と「自分たちの家族の将来」のバランスで迷いに迷っていた私達の背中をポンっと押してくれたソーシャルワーカーさんに、感謝の気持ちが湧き出てきます。。。

 

ここで、一歩踏み出してみて良かったと。。。
結構、勇気のいる一歩です。

 

 

もっと冷静になってみると、この決して安いとは言えない老人ホームの費用を、自身の年金で賄えるほど、現役時代にせっせっと働いた親たちへの感謝、子供たちに金銭面での苦労を結果的に掛けていないことへの感謝、親父たちへの若き日の労働に対する感嘆の気持ちも、心から沸き起こってくるのでした。

 

この後、おじいちゃんの老人ホームもあちこち探すことになるのですが。。。

 

ここで、ある事に気づきます。
伯母の今後の懸念です。

 

独身で身寄りが無く、若い時に会社勤めをしていない(洋服屋さんの仕立ての内職で身を立てていた)ため、年金はすずめの涙。


私達と同居していなかったら、年金の額を考えると生活保護になっていたかもしれず、ゆえに自力で老人ホームに入る資金等は潤沢にはありません。。。

 

でも、こういった境遇にいるご高齢者は日本にはごまんといるはずで、みなさんどうしているんだろうと。。。甥や姪、あるいは親戚が援助しているんだろうか? 孤立してしまっている方、行政に助けてもらってる方、色々な方がいらっしゃるのだと。。。実感として想像するのです。

 

天涯孤独というのもここへ来るとかなりリスキーな生き方になるかもしれません。。。

 

おじいちゃんは次男坊でした。長男に男子がおらず、次男であるおじいちゃんが私という長男を授かったため、祖父が亡くなった時におじいちゃんが家の家督(?)を継ぐことになったのです。


その条件は祖母と独身の伯母の面倒を一生みること。

 

おじいちゃん、ちゃんと楽しく実践しておりました。

 

 

ただ、その後、その伯母に介護されることになり、伯母より先に亡くなるとは。。。

 

でも大丈夫。
伯母の面倒は私がしっかり引き継ぎます。

 

ただ先ほどの心配が頭をよぎります。。。

 

「伯母が将来、もし老人ホームに入るとなると、公的援助があっても年金だけではカバーできない」

 

。。。。。。これは、今深く考えるのはよしておきましょう。。。