介護生活7 ウイスキー飲み過ぎ!
<2019年6月7日 私から長男へのレター>
さて、おじいちゃん(父)の繰り返し行動、物忘れ行動の中で一番心配だったのが、お酒です。
一緒に住むようになり、おじいちゃんがかなり遅くまで夜更かししていることが分かり、必ず寝る前に1階に様子を見に行くことにしてました。
10時や11時に寝てくれるなら、まだ伯母も足の悪いおじいちゃんをベッドへ連れていくことができますが、さすがに12時を過ぎると、伯母も寝てしまいます。
ふらふらと転倒したら大変!
仕事からクタクタになって帰って、お風呂に入って、一杯飲んで、さぁ寝るぞっの前の私の仕事になった訳です。
ところがかなり遅くまで起きていることが判明。。。しかも週に何回も。。。
ウトウトと机で寝てしまっているのは可愛いもので、実はもっとひどい状況でした。
そう、お酒です。。。。
おじいちゃんは大のお酒好きです。それは知ってます。
前にもお話ししましたが、断捨離でブランデーもいっぱい出てたぐらいですし。。。
でも、私が若い頃、おじいちゃんから私への戒めは「晩酌はほどほどにしろ」でした。
そんなおじいちゃんが、毎晩のように飲んでいる。。。
この頃は、ウイスキーばかり飲んでたようですが、量的には水割りを大きめのコップで2~3杯といったところでしょうか?? 十分多いです。
今の今まで、私達と同居するずっと前から、おじいちゃんのようなこんな高齢者が、こんなに夜遅くに、こんなにたくさんのお酒を飲んでいたのかと思うとびっくり。。
ここで、ふと思うわけです。。。
「ひょっとして、足元がおぼつかないのは酔っぱらってるから?」
「すぐ忘れちゃうのは酔っぱらってるから?」
「すぐ寝ちゃうのは酔っぱらってるから?」
そう、「おじいちゃんはアル中かもしれない疑惑」。。。
この激しい晩酌は、一緒に住んで分かった習慣だったので、本気でそうじゃないかと思いました。。。
なので、まずは気持ちよく晩酌しているところに行って。。。
私:「はい。もう寝る時間だよ! こんなに遅くにお酒飲んだら身体に良くないよ!」
おじいちゃん:「おいおい、せっかく楽しんでるんだからもう1杯飲ませろよ」
私:「ダメダメ。飲み過ぎ!」
おじいちゃん:「お酒ぐらい、自由に飲んでもいいだろう」
私:「もう沢山飲み過ぎだからダメ! ビールも飲んでるし。。。」
おじいちゃん:「わかった。これでやめておくよ」
でも、しばらく目を離して、おじいちゃんのところへ行くと。。。
そう、また1杯注いでるのです。。。
もうお分かりかと思いますが。。。
おじいちゃん、今、何杯目を飲んでるかを忘れているのです。。。
つまり、永遠の1杯目。
私には2杯目、3杯目に見えてるのですが、本人はずっと1杯目なのです。
そう、永遠の1杯目。
こんな感じで、時には最後の1杯を飲み干すのを辛抱強く待ち、時には強引に取り上げ、嫌がるおじいちゃんをベッドに連れて行くのでした。。。
その後、病院へ行くと、晩酌によってあまり水分を取りすぎると足が浮腫み、ただでさえ足元がおぼつかないので、それが原因で転倒することがあるから気を付けるようにと言われ。。。
この「新しい説教」を覚えた私は。。。
私:「お医者さんがダメって言ってた。1杯までならいいって」
と大袈裟に言うのでありました。
さて、お酒の量ですが、空きビンの増え方をみるとどうも1ヵ月に3本は空けてます。
これは明らかに飲み過ぎ。。
腹立だしいことに、酒屋が親切にもわざわざ家まで御用聞きにまで来るし。。。
相当なお得意様だった?
こんな時も、老人を食い物にする悪い人たちの腹黒さに腹が立つわけですが。。。
冷静に考えると、僕らがいなかった時は、こういった酒屋さんとのやり取りが、おじいちゃんにとっての楽しい世間との繋がりだったのかなぁ~と。。。。
酒屋の兄ちゃんも、わざわざ御用聞きに来てくれたということは、年取ったおじいちゃんを気遣って、喜ぶ顔が見たくって、純粋に親切にしてくれてたのではないかな~っと性善説で考えてしまうのでありました。。。
そうはいっても3本/月は多すぎる。
丁重にお断りし、注文の必要があった時にこちらから電話するとお伝えしたのでした。
今、振り返ると。。
おじいちゃん、老人ホームに入ると完全に禁酒(というか冷蔵庫にビールを入れてあげたのですが、なぜか手を出さない。。ウイスキーはさすがに部屋に置けなかった)。
その後、病院を転々とするわけですが、亡くなる前の約1年以上の間は完全禁酒の生活だったのです。。。
それを思い出すと、やっぱり「もっと飲ませてあげたらよかったなぁ~」っと今でも心底思います。これは本当に泣きそうになってしまう後悔ですね。。。
映画でよくあるセリフと一緒です。
さて、高齢者のご両親と離れて暮らしてる、みなさん。お酒の量は確認した方が良いかもしれません。永遠の1杯目でかなり飲み過ぎに至っているかもしれません!