おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

介護生活33 ねえ、どっちなの先生?

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No. 87

<2019年7月18日 私から娘へのレター>

また、話をおじいちゃん(父)へフォーカスします。

今日のテーマは高齢者の薬物治療についてです。。。

 

おじいちゃんは、心臓の調子が悪く、血圧も高いためワーファリンを飲んでます。

 

最近の科学の進歩で、”いいあんばい”のワーファリン投与量を決めるための検査と基準値が設けられ、先生方は日々患者の検査値とにらめっこしながら投与量を調節します。

 

つまり、安全性が確保され、有効性も期待できる”いいあんばい”の検査値の幅に入るように、ワーファリンを減量したり増量したりするのです。

 

ところが、当時のおじいちゃんはこの時すでに85歳超!
しかも認知症。。。。

 

先生から見せてもらった検査値をみると、来院のたびに上がったり下がったり。。。

微妙な投与量の調整を毎回するのですが、一向に安定しません。。。。

 

当然のことながら、先生からは「ちゃんとお薬、決まった時間に決まった量を飲んでますか?」と聞かれます。「認知症なのできちんと飲んでないのでは?」と疑われます。「家族で投与についてはきちんと見守ってもらえますか?」とお願いされます。。

 

私もかみさんも仕事で家を空けたりするので、この頃は朝の準備もヘルパーさんにお願いしていたこともあり、朝のお薬はヘルパーさん、夜は私達できちんと飲ませていました。

 

したがって原因はやはり個人差? 高齢??

 

よくわかりません。。。

 

先生もよくわからないので、下記の2つの考えで迷っておられ、私に説明します。

1.高齢者ですし、血液の凝縮、凝固を防ぐワーファーリンをコントロール出来ずに長期間投与を続けることによって、かえって出血、特に脳出血をし、障害や最悪リスクがありますよ!

2.高齢者ですし、血液の凝縮、凝固を防ぐワーファーリンのコントロールが難しい場合は、投与中止するという選択肢もありますが、持病により血管が詰まり、心筋梗塞脳梗塞を起こすリスクが残りますよ!

 

 

つまり、どちらにしても何かあったら障害が残ったり、寝たきりになりますという話。

 

でも、いっそのことなら、投薬を中止してはどうかっといったところでしょうか?

 

ここまでは、私のワーファリンの薬効の知識でも理解ができているのですが。。。

 

先生、さらに続けます。。。

・検査値の推移や、コントロールできない中の薬の継続、中止によるリスクはきちんと説明していますが理解できてますね?

・万が一、私の説明不足で脳出血を起こしたり、逆に脳梗塞を起こして身体に障害が生じても申し訳ないので、ここはみなさんの言質をとっておきたい。

・私が治療方針を決めて、最終的に何が起こっても困る。ここから先は家族で話し合って決めて欲しい。

 

 先生、これは医学的な知識のない一般の家族にはなかなか判断できません。。

もちろん家族の同意が必要なのですが、なにより医者としてどの治療がベストと考えているかを表明してもらわないと。。。。

 

どっちもリスクがあるから家族で決めてと言われても。。。
私たちの知らないおじいちゃんの医学的なバックグランドの説明もないし、おそらく説明されてもわからないし。。。

 

お医者さんのお仕事は難しい。。。

 

結局、両者うだうだと埒が上がらず、ワーファリンは継続することで話がまとまりました。

 

ところで、薬や治療に詳しい家族なんてほとんどいないのが世の常であり、ネットでいろいろ調べても、所詮は現場の匙加減での反応を見てみないと、きちんとした判断は出来そうにもありません。。。

 

したがって、おじいちゃんの持病の心臓病の治療方針(ワーファリンを投与するか否か)について、リスクの説明だけで「決めてください」とか言われても。。。っというのが、一般市民の感覚でしょうか?

 

最近は医療過誤による裁判も普通になり、先生方も判断の難しいところです。

 

我々一般市民も先生におんぶにだっこではなく、可能な限り自分で調べなくてはなりません。

 

ネットでいろいろな治療法も、他の先生の意見も、患者さんのコメントや意見交換も簡単に調べられる時代ですからね!

 

こんな感じでしたが、幸いにも脳出血脳梗塞もいっさい起こさず。。。最後は違った形で亡くなったので。。。

 

先生も私たちも自分たちの判断に問題がなかったことを、とにかくホッとするのでした。。。