介護生活4 いつも不安なおじいちゃん
<2019年6月1日 私から長男へのメール>
さて、同居生活をすることで、おじいちゃん(父)の様々な行動(認知症の症状)が分かってきました。一緒に住んでないと、そんなこと全く気が付きませんでした。。。
前にも述べましたが、私たちがおじいちゃんの様子がおかしいと気づいた最初の症状が「同じ話の繰り返し」でした。
つまりちょっと昔の記憶が思い出せない。新しい記憶を留めおくことができない。。そんな症状です。
こうなってみて振り返ってみてネットを調べると、同じ話の繰り返しは認知症の初期症状の典型例で、家族もそれに対して邪険に扱ってはいけないとの事。
家族が怒ったり、しかめっ面をすると、認知症の方は「不快・不安」を感じ、その場から離れたいという衝動が出てくるそうです。それをきっかけに徘徊などが始まる場合もあるとのこと。
幸い我が家は笑い上戸の人ばかり。辛抱強く何度も話を聞いては、「面白いけど、さっきも聞いたよ~」という感じで受け流してました。
ただし、これはたま~に家に訪れた時の、滞在時間内での受け流し術。
同居となると、これが毎日続くことになるのです。。。
前のエピソードで触れましたが、夕飯を一緒に食べる以外は、同じ家の中でもきちんと生活を分けていたので、「繰り返し話」はあまり気になりませんでした。
ところが、他にもいろいろとパターンがある事が判明。。。
まず、不安になると、どうもうちのかみさん(Kさん)を呼びつける。。。。
おじいちゃん:「Kさーん、Kさーん」
かみさん:「どうしました?」
おじいちゃん:「みんないるのか?」
かみさん:「今はいますけど、今日は〇〇でみんなで出かけますよ。。。」
おじいちゃん:「そうか。。俺はどうしたらいい?」
かみさん:「ヘルパーさんが来ますから、大丈夫ですよ。」
おじいちゃん:「そうか。。。わかった。ありがとう!」
このような感じの普通の会話。あるいはこれに似たような感じの会話を交わし。。。。
数十分後に。。。
おじいちゃん:「Kさーん、Kさーん」
かみさん:「はい、はーい!」
おじいちゃん:「今日は俺はどうしたらいいんだ。。。」
こんな感じ。
これを数回繰り返すので、1階のおじいちゃんのところに行って、今日1日のスケジュールを細かく説明、あるいは紙に書いて渡すといった対応もしました。
それでも、「Kさーん、Kさーん」が連発する時もしばしば(笑)
それから、さらにびっくりしたエピソード。。。。
この頃、おじいちゃんはしきりに足や腰、首が痛いと言っていたのですが。。
夜中の3時頃でしょうか。。。
何かの物音でウトウトと目を覚まし。。。
何だろうと耳を澄ますと。。。
「Kさーん、Kさーん」。。。という声?
かみさんも気が付き。。。
かみさん:「Kさーんって聞こえない?」
私:「最近の癖で、何でもKさーんって聞こえるんじゃないの? 笑」
「Kさーん、Kさーん」
うんっ?
「Kさーん、Kさーん」
まじっ?
「がちゃっ」という音と共にドアが開き、おじいちゃんが立っているじゃないですか!!!
私:「どうしたの? 何かあったの?」
おじいちゃん:「足が痛くて寝れないんだ。歩けないんだよ。。。助けてくれー」
私:「足って、ここ3階だよ。3階まで登ってこれたの??」
おじいちゃん:「足が痛いんだ。。。」
ということで、階段も危ないので1階まで付き添って、ベッドに戻し。。。
安心させて寝かせるのでした。。。
かみさんは「対応はしんどいけど、私の名前を読んで、私を頼ってくれるのは嬉しいことよね?」と超ポジティブな反応。。。。良い妻です。
はい。それ以来、ちょっとした小さな物音でも目が覚めるようになったのでした。
そして、どんな物音も「Kさーん」に聞こえるようになってしまったのです。。。
「かさっ!」
かみさん:「今、Kさーんって言ってなかった??」
私:「みっ、見てくるっ!」