おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

相続税1 相続税を自分で対応してみる!

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No. 195

<2021年8月7日 私から娘へのレター>

ここから少々退屈な話になりますが、相続税編を始めたいと思います。

介護と相続税との繋がりが、なんだかピンとこないという方が多いと思いますが、ご両親の亡くなった後の相続問題は、少なからず大きな問題になります。

 

また、亡きご両親だけでなく、その土地・建物にまつわる我が一族の想いやら歴史など。。。

そんな事に思いを巡らせながら進めることになります。

 

同居しているとか、介護などで直接お世話しているとか、遠方で全く縁遠いなど。。。対処の方法は様々になりますね。

 

法定相続人は?配偶者、子、兄弟は分かりやすいですが、もし同居している叔父伯母の場合は?その方が未婚でお子さんがいなかった場合は?配偶者と実子が先に亡くなっている場合は?親が再婚していた場合は? などなど。それぞれの家庭によって複雑です。

 

そもそも課税対象になる財産って何?今住んでいる土地の価格ってどうやって決まるの?どんな控除制度があって、適用するにはどんな条件を満たしていなくてはならないの?

 

母の没後の遺産相続はおじいちゃん(父)が全てをやってくれたので、私は特に何も考えず。。。おじいちゃんに言われるままに署名捺印し。。。正直、何もわかっていませんでした。

 

良く分からない中の不安というと、我が家は現金があったわけではないのですが、都会であったため、必然的に土地の価値が地方よりも相対的に高く(同じ間取りの土地なのに!)、相続税額が膨大になったらどうするんだろう。。。という物です。

 

よく税金が払えず、土地を一部売却などお聞きしますが。。。

「そんな煩雑な作業に巻き込まれたくない!」っといのがその時の気持ちです。

 

そんなわけで、おじいちゃんが元気だった同居早期より、いろいろと勉強を始めたのでした。

 

突然死で一瞬にして失ってしまう、癌などの大病で闘病などのサポートが必要な場合など、普通は「相続」の事なんて全く考える事はなく、かつ準備なんかもできないですよね?

 

一方、認知症などは長い介護期間があるので、ある程度考える時間もあったので、色々と対処ができました。

 

エピソードで紹介した中にも、実はたくさんその準備が散りばめられていたと思います。多くは介護の実施に必要な整理だったのですが、結果的に相続対応がスムーズに運びました。

 

さて、相続税ですが、本人の没後10ヵ月以内に申告しなくてはなりません。肉親の死で打ちひしがれている時に何て過酷な試練。。。相続は借金なども負債も含むので、負の遺産の相続を拒否したいのであれば、この10カ月以内に亡くなった方の身辺をきちんと調査する必要があります。

 

身近に生活していれば常に把握しているので問題ありませんが、就職して遠方に住み、関係が疎遠になっていた場合は、かなり苦労すると思われます。

 

相続税の仕組みを簡単に言うと、基本的に「資産」と「負債」です。

そしてそれが全て分かってから「控除」や「調整」などの作業に入ります。

 

「資産」は土地、家屋、現金、保険、株など。。。

土地・家屋ってどうやって資産として計算するの?

預貯金を含む現金ってちゃんと全部把握できている?

何の保険に入ってるか全部把握している?

株は持ってなかったけ?

 

「負債」は借金、公共料金の未払い分、入院費や葬儀費です。

借金は無いよね~?

亡くなった後に受領した公共料金の請求書は誰が払うの?

入院費や葬儀費は?

 

「控除」や「調整」なんて知りませんよね~?

私も全く知りませんでした。。。

 

このあたり、時間がある時にゆっくり知っておいた方が良いかと思います。

このシリーズで大体の事(我が家のケースは非常にシンプルでした)は分かるかと。

 

なお、税理士さんにお願いするという簡単な方法もあります。

税理士さんの費用は持っている「資産」に対して0.5~1%ですので、多忙で対応できない、複雑で対応できない、大きな資産なので対応が複雑という事であれば、税理士さんにお願いする方法もあります。

 

一方、ある程度の額の資産(特に土地)がある場合は、税理士さんへの支払いは結構な額になり、なんだかもったいないですね。また、地元の税務署に行けば、適宜、税理士さんが無料で相談をしてくれますので、税理士へ支払う費用で豪華なDinnerを食べたい方、是非、鞭打って社会勉強をやってみたい方、自分でやってみて、みんなに自慢したい方はご自身でのチャレンジをお薦めします!ちなみに、私は最期の自慢派です(笑)

 

もちろん、例えば工場を所有していて、中にあるたくさんの機器の減価償却費を計算しなくてはならないなど(機器が資産であり、中古で売却すれば現金になるので相続税の対象です。。。)、あるいはさまざまな場所に散らばる田畑や山を所有してている土地持ちの場合などは税理士さんの方がよさそうですね。。。私ではたぶん無理です。。。

 

こんな感じの話を、これからつらつらとご紹介します。

 

#介護 #介護関係 #介護者 #老人ホーム #認知症 #イラスト #手紙 #レター #葬式 #葬儀 #相続税 #相続税対策  #土地建物の計算 #相続税の控除

お葬式 14 何と生臭坊主が。。。

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No. 194

<2021年8月4日 私から次男へのレター>

2021年3月、ちょうど2回目の非常事態宣言が明けたころでしょうか。。。

菩提寺より一通のお手紙が。。。。

 

なんと。。。。

あの生臭坊主(おっと、失礼!)がお亡くなりになったと。。。

 

これは、「生臭坊主」と悪態をついていた我々もかなりショックなニュースです。。。

2020年末の祖父50回忌、祖母17回忌に欠席していた事と何か関係があったのでしょうか??

 

もちろん、親族でも友人でもないので、通知には亡くなった理由の記載はなく。。。

コロナ禍なのでお堂入り口にお焼香の場を設けますと言った内容のお知らせのみでした。。。

 

コロナ禍にあった2020年、2021年と「お楽しみ会」が中止になった事はお知らせで知っていたので、ご住職、さぞかし痛恨と思っていましたが。。。

もしかしたらご住職の体調にも何か影響していたのかもと思い始め。。。

 

おじいちゃんの命日である2018年も色々と問題を抱えていたのかもしれない。。。

葬儀・通夜はもしかしたら別の理由で対応できなかったとか?。。。

 

急に申し訳ない気持ちになったのでした。。。

 

もちろん、菩提寺には家族総出でお焼香をあげに行きました。

 

コロナ禍、お堂の入り口にはパイプ机がぽつんと置いてあり、そこにご住職の遺影とお焼香があるだけの実に実に質素な祭壇でした。。。

 

このような立派なお堂を持ち(鉄筋のかなり大きなお堂です)、さぞかし立派なご住職だと思うのですが。。。このような質素な最後のご挨拶になるとは。。。

 

本当に新型コロナには腹が立ちますね。。。

 

生臭坊主らしく、最後ぐらいは盛大に、きらびやかに、にぎやかにやって欲しかった。。。

きっと毎年楽しみにしている「お楽しみ会」メンバーもたくさん駆けつけたはずです。。。

 

戒名作りの名人でしたが、ご住職の戒名は誰が作ったのだろうか。。。

そんな事が気になります。

ご自身で生前、作られたのかなぁ??

 

いろいろと想いを馳せながら。。。

かみさんと私は「生臭坊主なんて失礼な事を申し上げて、誠にっ失礼極まりませんでした。。。どうかお許しくださいませ。どうか安らかにお眠りください」とお祈りするのでした。

 

数限りない檀家の家族のみなさんを見送ってきたご住職様です。

さぞかしあの世では多くの故人と再会をしていることでしょう。

私の両親や祖父母にも会っているのかなぁ。。。?

 

 

はい、これにて、おじいちゃんのお葬式編は終了となります。

お葬式も主体的に動くと、本当にいろいろな経験をしますね。

滅多にない体験も(笑)

 

故人の悲しみを一時でも忘れるために、あるいは故人の生き様を赤裸々に脳裏に再生させるために、喪主にあえて忙しくなるように仕組まれた儀式。。。それが葬式かもしれませんね。

 

次回は、まだまだ続くおじいちゃんからの人生講座の贈り物、「相続税編」です。

ノウハウエピソードになりますが、良かったら引き続きお読みくださいませ!

 

#介護 #介護関係 #介護者 #老人ホーム #認知症 #イラスト #手紙 #レター #葬式 #葬儀 #弔問 #生臭坊主 #通夜振る舞い

お葬式 13 祖父50回忌と祖母17回忌

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No. 193

<2021年7月31日 私から長男へのレター>

コロナで迎えた2020年。

なんと祖父の50回忌と祖母の17回忌を迎えることに!

50回忌ですよ! これって普通やる? なかなか経験できませんよね。。。

 

以前お話したおじいちゃん(父)の日記を見ると、祖父に対する畏敬の念が滲み出てます。なんと、祖父の命日におじいちゃんは必ず墓参りにいっていたのです。

 

祖父の教育がよほど行き届いていたのか、祖父への尊敬の念をよほど抱いていたのか。。。

日記からは読み取れず。。。生きている間に理由を聞いておけばよかった。。。

 

そんなおじいちゃんの畏敬の念を大事にすべく、普通ならここまではしない50回忌をきちんと執り行おうと思いました。

 

おじいちゃんが亡くなった今、我が一族の棟梁は私なので、それなりの責任感も背中を押すわけです。。。

 

ただ、祖父の思い出はほとんどありません。

私が幼少の頃の記憶にかすかに残っている程度。。。

しかも、その思い出は「畳の和室なのに綺麗なシーツのベッドに横たわる祖父の姿」?

抱っこされ、祖父の顔に近づけられたような記憶も。。。

そこで何かを祖父に囁かれたような記憶も。。。

これ位の思い出しかありません。

 

祖父の葬儀には私に関する飛び切りのエピソードが語り継がれています。

実は、祖父は戦前~戦後までの少しの間にタクシー会社を経営していたそうです。

東京大空襲の際は、家族の避難そっちのけで、何台もあるタクシーを一人で火の届かない場所へ移動していたという武勇伝を聞いてます。

 

その間、家の火消しや避難は、長男が従軍で不在だったため、中学生の若きおじいちゃんが大活躍だったそうです。でも、ここでおじいちゃんが焼夷弾で焼死していたら私も生まれていませんでしたね。。

 

で、当時、幼少だった私の一番のお気に入りが、実はタクシーのミニカー。

そう、利発で賢く可愛い幼少の私は、何を思ったか、祖父の棺にそっとその大事にしていたタクシーのミニカーを入れたそうです。。。

それはそれは弔問者の涙を誘ったとのこと。

偉いぞ!幼少の頃の俺!

 

この亡くなる前、祖父は遺言状を遺しました。

戦争から復員した長男には男子がおらず、次男であるおじちゃんに珠玉の私が生まれたわけですが、伯母が未婚であったこともあり、遺言書には。。。

  • 長男(私!)を授かった父にこの土地建物を全て相続する
  • 祖母と伯母を最期までしっかりお世話をすること

と添え書きがありました。

で、今、私がその意志を引き継ぎ、伯母をしっかり見守っているのです。

 

なので、祖父のこの50回忌は知った以上、無視はできません!

 

それから、祖母の17回忌。。。

実は、三重介護中、あまりに多忙だったため、祖母の13回忌をすっかり執り行い忘れていたのです。。。おばあちゃん、ごめんなさい!

 

ちょうど4年前ですから、伯母が骨折を繰り返し、おじいちゃんが家でかみさんを呼びまくっていた頃ですよね。。。(笑) 祖母の13回忌は、お寺からのお知らせで知っていたのですが、気が付くとすっかり命日を過ぎており、あとの祭り。。。

仏壇で「ごめんなさい」と手を合わせただけだったのです。

 

祖母との思い出は沢山あります。

東京の実家に来るまで、実は母の世田谷の実家で過ごしていました。なので、正月やお盆にはこの東京に実家を訪れます。。。

 

優しい祖母は孫達にジュースは飲み放題でしたし、おはじきもプロ級で良く対決しました。正月には必ず百人一首を読み、祖母の札を読む声が今でも思い出されます。

 

小学6年生になると、家族でこの東京の実家に住むことになったのですが、それから中学受験、高校受験、1年間の浪人生活を含む大学受験期間、勉強の息抜きには必ず祖母と伯母のいる居間に行って、世間話や雑談。。。ミカンやお煎餅に緑茶で息抜き、ガス抜きに笑顔で付き合ってくれたのです。

それから、大学入学、就職、結婚、長男誕生、次男誕生と。。。私の人生の節目を心から祝福し、100%サポートしてくれた人でした。

 

ということで、今回は仲良く祖父・祖母のダブル法事を1回で執り行いました。

コロナ禍ということもあり、私達家族のみ。。。

 

ところが、今回、あの生臭坊主(おっと、失礼!)が欠席。。。

代わりに現われた小坊主によると「足腰の不調でお堂に来れない」とのこと。。。

 

この時は、「な、な、な、ななな生臭坊主めぇ~」っと思ったのですが、実はどうも事情があったのだと、後で知るのでした。。。

 

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お葬式 12 おじいちゃんの法要

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No. 192

<2021年7月28日 私から娘へのレター>

おじいちゃん(父)の49日が終わってホッとするのもつかの間。。。

直ぐに1周忌がやってきます。

 

おじいちゃんの命日は1月10日。

相変わらず不愛想な生臭坊主(おっと、失礼!)に、法事素人である私。。。勇気を出して電話すると。。。

 

「1周忌は、命日前の1ヵ月以内ですね」とのこ。

 

実は母の命日が2月4日で、同じ年に13回忌を迎えます。

理系で、ついつい合理的に何でも考えてしまう法事素人の私は。。。

「そうだ、父の1周忌と母の13回忌を一緒にやればいいじゃないか!」と思いつきます。

 

理由は2つ。

 

1つ目。弔問客がとんでもなく高齢者が多い!杖を持つ方が圧倒的に多いので、極寒の冬の足元の悪い中、法事を立て続けに2回も、しかも1ヵ月のインターバルでお呼びするのも気が引けて。。。

 

2つ目。法要費用。もしかしたら法要のお布施は2回分でも、花代(御花料)やご住職への食事代(御膳料)は1回分で済むかもっという。。。もちろん、弔問者もお香典が節約できるはず。。。

 

ところが、ご住職。。。

「あのねぇ~、1周忌と他の法要は同日には出来ないよ」っとつれれない一言。

よくよく調べてみると1周忌は故人にとって最も重要な法要とのことで、やはり他の法要とは一緒にはできないとありました。

これで私達も晴れて喪が開けることになりますしね。

ちなみに1周忌以降の法要は他の法要と一緒に執り行ってもかまわないとの事でした。

 

ということで、2018年1月10日命日の父の1周忌は同年12月に、母の13回忌は翌年2019年1月に執り行いました。。。。

 

で。。。すぐに同年2019年12月には父の3回忌がやってきます。

ややこしいですが、1周忌は没後1年後の命日、3回忌は命日を含む3回目の命日。つまり3回忌は2020年1月であり、法要はその前に開催なので2019年12月になるのです。なんと言っても1月早々は大事な「お楽しみ会」ですしね!

 

で。。。2018年中に3つの法要、2019年に2つの法要、計5回こなしたことになりましいた。

なので、お墓の後ろはお塔婆だらけに(笑)。。。

このお塔婆、次の法要ごとに処分しても構わないらしいですが、あまりにも白木のまま綺麗に保存されているので処分する気も起らず。。。3回忌までは大事に残しておきました。

 

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お葬式 11 全て終了のご褒美!

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No. 191

<2021年7月24日 私から次男へのレター>

さて、おじいちゃん(父)の49日が終わり、娘も中学に合格したということで。。。

一番の功労者であるかみさんにはご褒美が必要です。

 

長男も成人を向かえたので、子供達を置いて、夫婦水入らずで旅行をしたとしても罰も当たらず、育児放棄にもなりませんよね?

 

で、ゆっくり温泉にでも行こうって事になりました。

子供達も大賛成(なにせ親不在は子供達には天国です!)

伯母の面倒を全てお願いし、伊豆・修善寺へ1泊2日の弾丸旅行に出発です。

 

車でゆっくりドライブをしながら西伊豆へ向かい。。。

初日はあいにくの雨でしたが、露天風呂に、上げ膳据え膳の豪華夕食に大満足!

 

せっかくなので、夫婦人生でやったことが無い事をやってみようと。。。

部屋に按摩(あんま)さんを呼んで、夫婦で全身マッサージを!

我々夫婦には「マッサージ店に行ってリラックスする」という習慣が無かったので、正直、効果に疑問でしたが。。。

 

なんという贅沢。。。

いや~っ、極楽でした。。。

おじいちゃんとの数年の介護生活で溜った凝りがごそっと落ちたという感じでしょうか?

 

すっかり子育てを終えた、先輩母の按摩さんとの会話も楽しかったです。

私達の持ちネタはもちろん三重介護でしたが、按摩さんの生涯エピソード(内容は忘れてしまいましたが。。。)も素晴らしいもので、なんだかいい感じで我々も歳を取ったな~っという結論に。。。

 

このブログを読んでいる方にはいちいち説明は不要ですが、おじいちゃん介護へのかみさんの寄与は絶大で、よくもまあ、匙を投げずに、文句も言わず、手も抜かず、八つ当たりもせず、怒りもせず、粛々と手を尽くしてくれました。。。

 

この間、長男の大学受験は浪人&大学合格、次男は高校進学試験、娘も中学受験と、母親業もきっちりこなし、私は毎週1回以上は、何かしら国内外の出張で不在でしたので、頭が上がりません。。。

 

かみさん無しでは成り立ちませんでしたね。。。

本当にありがたかったです。

ありがとう!

 

さて、旅行記ですが。。。

こんなに愛溢れる仲良し夫婦なのに、どこへ行ってもなぜか「不倫扱い」を受けました。。。

 

フロントでは「お支払いは別にされますか?」とか、

お土産屋でも「領収書は別々ですか?」とか

途中、駿河湾を一望できる眺め良い展望家族温泉にも立ち寄ったのですが、申し込み書を記載する時も2枚書かされたりとか。。。

お~い、ちゃんと見て!苗字一緒でしょ!

 

いろいろと深い心配りはさすがだなっと思ったりしましたが。。。

これだけ、みなさん気を使っているところを見ると、伊豆・修善寺ってどんだけ不倫旅行が多いのよ!って思いました。

 

思い返せば、子供が生まれて以来20年強、子連れなしでの旅行なんて一度も行ってなかったなぁ。。。確かに子連れなら、イコール親子だし、我々は間違いなく夫婦ですよね。

 

ひとたび2人きりで行動すると、世間では「夫婦」か「不倫」かの見分けがつかないのでしょうか? ってか、そんなに構えるほど不倫って多いのかよって思っちゃいました(笑)

 

そんなこともあって、じろじろと他の中高年クラスのカップルを観察すると、2人ともスーツ姿だったり、お互いの会話が敬語だったり、お土産もそれぞれ別に持ってたり。。。確かに怪しい(笑)!

 

でも、不倫と間違われるのもなんだかくすぐったくていいものですよね。

ちょっと若返ったって感じ? ちょい悪(笑)?

 

「次回、わざと不倫っぽく振舞ってみようか」とかみさんとも悪知恵を。。。

宿帳にわざと苗字を変えて書いたり、お互い上司・部下風にしゃべってみたり、「領収書は別でお願いします」って言ってみたり。。。周りの方々を思いっきりドギマギさせてみたいですね(笑)

 

 

なんだか葬式編からかなり話がそれましたが。。。

このドギマギ旅行も、ある意味おじいちゃんからの贈り物(お餞別?)だったと思っております。

 

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お葬式 10 49日を迎えて

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No. 190

<2021年7月21日 私から長男へのレター>

おじいちゃん(父)の49日を迎えました。

親しい友人数人、母の友人数人、そして親戚一同が弔問に来ていただきました。

 

お堂には母と戒名を並べた小粋な位牌が飾られています。

ようやく戒名無しの白木から、きらびやかな戒名入り位牌に魂入れです。

 

生臭坊主(おっと、失礼!)の説法無しの法要は厳粛に終了。

私は骨壺を持って、息子達は大量のお塔婆を、娘は遺影を、かみさんは足の悪い伯母をエスコートしながらお墓に移動です。

なにせ年寄りだらけなので、移動は超ゆっくり(笑)

 

お墓に着くと、墓標にはこれもおじいちゃんの戒名が母と仲良く並んでいます。

ご参列のみなさんもようやく気が付き、笑顔になります。

そして、お墓にお骨を収めて終了です。

 

ふ~っ! これで一段落。

「おじいちゃん、いろいろとすったもんだありましたが、無事に終わったよ~」とつぶやきます。

 

法要の後は恒例のお会食。

おじいちゃんが法事でごひいきにしているいつもの中華料理屋の1室を借り切りて献杯

 

もちろん遺影の前には大好きなブランデーを。

そして、親戚一同、おじいちゃんが喪主の法要にはかならず出てくる大きなフカヒレを堪能です!これを目当てに法要にいらっしゃる親戚もいるかもしれないと思い、私もおじいちゃんに習って用意します。。。大きな出費です。。。みなさんからのお香典が頼りです。

 

娘はみなさんに中学合格の報告。

私は葬式の当日に号泣で話せなかったおじいちゃんのエピソードを披露です。

 

思えば、母の7回忌の時に、まさにこの部屋で親戚の方々からおじいちゃんとの同居を諭され、とっくに申し入れて断られた事実を本人を前に皆さんにも言えず苦しい思いをしたのが思い出されます。

 

それでも、それが決意のきっかけになったのも事実で、やっぱり親戚っていいなぁ~っと、あらためて思うのでした。

 

あれから長いようであっという間の6年間でした。

 

実家でのおじいちゃんと伯母との同居を決心し、同居の在り方を夫婦で腹を割って考え、2度目の同居の申し出を。。。

 

その後、実家のリフォーム会社を選定し、計画を練り上げ、おじいちゃんのいろいろなエピソードを聞きながら断捨離し、時には反対されながら計画を進め、三角庭の解体では大騒ぎに。。。

 

同時並行で横浜の自宅マンションの売却手続きに、買手候補の方の内覧対応、こちらも断捨離、新居用の家具購入、娘の小学校転校の準備に、マンション仲間とのサヨナラ会。。。

 

同居後は、おじいちゃんの日常の認知症症状に日々奔走し、伯母の度重なる骨折入退院の対応、義父の大手術をきっかけにマンションの引き払いとサ高住へのお引っ越し。。。

 

そして遂に、おじいちゃんも老人ホームへ入居。

間もなく誤嚥性肺炎で本当の病名が進行性核上性麻痺と判明し、一気に障害者、特定難病者となってしまい各種手続きで社会福祉の恩恵を。。。

 

胃瘻を導入するかを悩んでいる内に2度目の誤嚥性肺炎、そして中心静脈栄養となり、幸か不幸か我が家近くの医療介護施設へ転院。。。

 

すぐに、話すことができなくなり、手のニギニギで会話。。。

すぐに、手も動かなくなり、眼のまばたきで会話。。。

 

遂に力尽きて。。。

 

おじいちゃん、ほんとにお疲れ様。

振り返ると、私の家族の事情に合わせることで、いろいろと無理をさせてしまった。

認知症をいいことに、いくつかの決断はおじいちゃんにとって不本意なこともあったでしょう。

遠くの老人ホームでの一人暮らしは、やっぱりやっぱり寂しかっただろうなぁ。。。

冷蔵庫のビールが全く手を付けられていなかったのは小さな抵抗だったのだろうか。。。

 

「お前がいいと言うならそれに従うよ!」

「お前に全て任せた。いろいろと頼んだ!」

「俺はいい息子を持ったよ。。」

「何だか、いつも夢見心地なんだよ。。」

 

同居後の口癖。いったい、おじいちゃん、本当にほとんど認知できていなかったのだろうか?

かみさんとも時々、「本当は認知症の振りして、ちゃんと身の回りで起こっていることを理解してたんではないか? 認知症の振りをしているのではないか?」っと、

そんな風に話していました。

 

最期を迎えるにあたり、私達家族に悪態をつくことも、怒りをぶちまけることも、悲しみの表情を見せることも、遂にありませんでした。

 

本当に100点満点の「おじいちゃん」でした。

 

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お葬式 9 娘の中学受験 全部合格!

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No. 189

<2021年7月17日 私から娘へのレター>

そうそう、お葬式から49日までの間に「一大ニュース」がありました!

 

そう、お葬式の最後におじいちゃん(父)へのお別れの作文を読んだ娘。。。

中学受験を見事に突破したのでした!

 

まさに私の号泣エピソードで紹介しましたが、娘のお別れの作文の中に、「中学受験に絶対に成功して見せる!おじいちゃん見ていてね」的な一文が入っており、号泣中の私も「おいおい、落ちたらどうする気だよ~」っと正気に戻ったりして(笑)

 

娘は受験するような高成績でもなかったのですが、周りの子たちに刺激され、さらに受験ブームに巻き込まれた系なのですが、どうせならと結構頑張っていたのでした。

 

おじいちゃんのお見舞の際も、父から「どうしてる?」と訊かれると、「私、受験勉強してます!」と答えるので、必然的におじいちゃんも「頑張りなさい!」とか「Mちゃんなら大丈夫だ!」とか励まされ、そしてまた娘、益々がんばるという。。。

 

おじいちゃんが「正のスパイラル」を回し続けてくれてたのでした。

しかも例の認知症の症状で、これを10分おきに何度も繰り返すみたいな。。。

まさに「正のスパイラル」!!

 

受けた学校は何とか入れそうな学校Aと、背伸びしてもかなり難しいチャレンジ学校B。

受験はおじいちゃんが亡くなって1ヵ月も経たない2/1からスタートし。。。

今時の受験って、同じ学校を同じ日の午前と午後に2度受験できるという。。。

なんとも人集め競争受験の真っただ中なのですね。。。

 

つまり娘の場合、午前中にA校を受け、落ちたら同日の午後もA校を受けれるようにしっかり申し込んでいました。

A校が午前中に合格した場合に備え、午後にB校も重複して申し込んでおき、万が一、午前中にA校が合格したら午後はB校にチャレンジという具合です。

これが数日間続く訳です。。。

 

普段から、私達は「おじいちゃんのお葬式で啖呵を切っちゃたけど、きっとおじいちゃんが力を授けてくれるよ」とか、「Mちゃんが一番お見舞に行ってたんだから、おじいちゃんがいつも一番Mちゃんを見守ってくれてるよ」とか言って。。。

娘はその都度、プレッシャーを感じる素振りもなく、ケロッと「うん、がんばる!」と。。。

受験日を迎えるまではこんな感じでしたね。

 

そして2/1、朝からソワソワしながら、仏壇のおじいちゃんとおばあちゃんに「今日は受験頑張ってきます!」と宣言し、まずは午前のA校受験にさっそうと出陣。。。

 

午前のA校受験が終るとヘロヘロになって帰宅。

しばらくして合格発表が張り出されるのですが、娘は午後の受験に備えスタンバっているので、私が見に行く羽目に。。。

 

嫌な役回りです。。。

実は長男が中学受験は全滅だったので、トラウマで身震いが止まりません。。。

 

 

確かあの日はみぞれ混じり雪の中でした。。。

トボトボとA校へ向かいます。。。

 

娘、決して勉強が得意ではないので、「あ~不合格だったらなんて伝えようかな。。。」とか、正直そればかり考えてました。

「午後もこのA校をもう一度受験だったら可哀そうだな~」とか、

「でも2回もチャンスを貰えるならそれはラッキーなことだなぁ~」とポジティブに考えたりして。。。

 

校門が見えてくると、喜んで帰っていく人と、しょんぼりの帰っていく人が見えてきて。。。

いよいよ「現実に目をむける時が来たぞ!」と、

 

勇気を出して校門をくぐり

電子掲示板を見上げると。。。

 

なんと合格!

ひゃ~!よく頑張った!

というか、なんて強運!

 

うきうきしながら、他の受験生が見えなくなった小道で自宅に電話。

「受かってたよ!」と言うと、受話器の向こうでキャーだかギャーだか分からないような叫び声が(笑)

「ねぇ、ねぇ、もう一回言って」というので、「合格だったよ!」というと、再び、キャーだかギャーだか分からないような叫び声が(笑)。。。

 

スキップしながら帰宅すると、家はもぬけの殻。。。

娘とかみさんは午後のチャレンジB校受験のため、既に出発してました。

 

まぁ1校受かったから、これで一安心。。。っと家でぼーっとしていると、またまたさらにやつれた娘が帰宅してきました。

チャレンジB校の合格発表は夜、ネットで公開。

ダメなら明日の午前に再びチャレンジB校へ受験です。

 

そして合格発表の定刻になり。。。

娘とかみさんがネットで検索すると。。。。

再びキャーだかギャーだか分からないような叫び声が(笑)

 

なんとチャレンジ校も合格!

かくして、娘の受験は2/1、たった1日で終了してしまったのです。

 

これ、今でも我が家の語り草ですが、塾の先生方もびっくりしてたので、絶対に「おじいちゃんのパワー」に違いないと。。。

 

娘はおじいちゃんに本当に愛されていたのだと。。。

「おじいちゃんパワー」恐るべし。。。

 

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