帯状疱疹10 深夜に点滴が詰まり留置針の場所変更。。。
帯状疱疹の治療は過酷です。
ヘルペスウイルスに対する抗ウイルス薬を点滴で体内に入れます。
入院前に処方された経口剤と全く同じ成分ですが、点滴で血液に直接入れるので、胃や腸からの吸収と違って、高濃度の薬物でウイルスを直接やっつけられます。
細菌やウイルスと薬の効果との関係は複雑です。
なぜなら細菌やウイルスは元気いっぱい、身体の中で常に増殖しているからです。
1匹が2匹、2匹が4匹、4匹が8匹、8匹が16匹、16匹が32匹。。。。
指数関数的に、あっという間にウイルスだらけに。。。
ストレスや体力不足で抵抗力、免疫が落ちた時はなおさらです。
子供や高齢者が重篤な感染症を起こすのも、抵抗力、免疫が落ちているからですね。
ということで。。。例えば。。。
ウイルスが今、100匹いて薬で40匹殺せても。。。
残った60匹が直ぐに120匹に増殖。。。
さっきより多いじゃないか!っという感じ。
中途半端な薬で治療をしても一向に良くなりません。
経口剤が効かなかったのは、恐らく私の胃や腸から効率よく薬が体内に吸収されなかったのでしょう。。。
そんなわけで点滴で直接投入するわけです。
高濃度の薬で100匹の内、80匹でも99匹でも殺してくれれば、そのうち限りなく0匹に近づくはずです。。。
みなさんが、病院で抗菌薬や抗ウイルス薬が処方された時に。。。
「治ったと思っても最後までちゃんと飲んでください」と必ず言われるのはこうした理由です。
1匹でも残ってたら。。。
1匹が2匹、2匹が4匹、4匹が8匹、8匹が16匹、16匹が32匹。。。。
あっという間に細菌、ウイルスだらけに。。。
さてさて、この点滴がほんとうに私には苦しかった。。。
1日3回点滴するのですが、1回の点滴を2時間かけてゆっくりと。
朝食後、昼食後、就寝前に点滴するのですが、病院は7時に起床、9時に就寝ですので、約12時間の間に3回点滴ということは、点滴に6時間。。。。
ということは自由時間は残りの6時間、しかも点滴と点滴の間の2時間×3回だけです。。。
これを1週間やると言うし。。。
念のために2週間やることもあるらしいし。。。
ぞっとします。
さらに私、どうも点滴が苦手。
精神的に苦手ではなく、私の体が物理的に苦手らしい。。。
点滴を1日3回繰り返すので、「留置針」という針を血管に入れたままの入り口を作っておきます。点滴ごとにそこに薬の入った液剤の袋に繋ぐのです。
その留置針の設置に看護婦さんたちは一苦労でした。。。
2時間もじっとしてないといけないので、健康診断の採血のようなひじの裏側(可動関節)とは違って、手から肘までの間の、血管がどこにあるんだか良く分からないところに留置針を設置します。
看護婦A:「Oさんの血管、結構、奥に入ってて見つけにくいわ。。。」
っと、何度も刺し直します。。。痛てててて。。。。
看護婦B:「Oさんの血管、まっすぐなのが少ないわね。。。くねくねしてて、針が直ぐに血管の壁に接触してしまうわ。。。」
っと、何度も刺し直します。。。痛てててて。。。。
看護婦C:「Oさんの血管、ぺちゃんこで刺しにくいわ。。。ちゃんとご飯食べてる?栄養が少ないとぺちゃんこになり易いのよ。。。」
っと、何度も刺し直します。。。痛てててて。。。。
看護婦D:「Oさんの血管、刺しにくいわ。。。刺すの上手な先生がいるんだけど、看護婦が何度かトライしないと来てくれないよね。。。」
っと、何度も刺し直します。。。痛てててて。。。。
上手な先生がくると、それはそれは見事に「すうっ」と針を一刺し。迷いのない一振りって感じです。
「看護婦さん、この達人先生に来てもらうためにわざと失敗してませんか?」っと思わず思ってしまいますね。。。
そして、上手く留置針が設置できても、まだまだトラブルが起こります。
何だか「くーーっ」と刺すような痛みが。。。
この場合、血管の内壁にある間隔で存在する弁に針が触れてるそうです。
点滴は静脈に入れるのですが、心臓から遠いので血液の逆流を防ぐために、一方通行になるように弁が付いてます。
人間の身体の仕組みって凄い。。。
そう。その弁に針が触れると、なんとも嫌な痛みが走ります。。
留置針の入れ直しです。
また、なんとか点滴にたどり着いても、時々、いつのまにか点滴が止まってる。。。。
看護婦さんを呼ぶと、針先に血管が凝固して詰まってしまっているそうです。
血液のこの凝固は、怪我をした時に出血を防いで外界との接触を遮断し、病原体が入るのを防ぐ防御機能です。。。
私の身体が留置針の針を異物と認識して、「出て行け~」っと凝固してくれているのですね。。。
本当はいいやつなのです。
私、おまけにとっても低血圧なので、血流もゆるゆるで、余計に凝固しやすい体質なのです。。。
やっとこさ留置針は設置できたのに、点滴が途中で詰まって留置針を再度入れ直す事9回。。。留置針を入れた部分は紫に内出血し、なんともイタイタしい痕が。。。
麻薬の常習犯のような腕になってしまいました。。。
そこである心配が。。。
もしこれが戦争や災害で、治療に点滴が必要になったら。。。
映画で見るように、当然、何かしらの点滴を打つはず。。。
私のように針が刺さりにくい患者がいたら。。。
私のように点滴が途中で詰まる患者がいたら。。。
何百人もの患者と格闘する看護婦さん。。。
今回のように手厚く対応してくれるはずもなく。。。
おそらく私なんか放置か優先順位は後の方。。。
薬が身体に入れられず。。。
すぐに死んでしまう!
現在医学でもこんなに手こずるのですから、第一次世界大戦や第二次世界大戦中など、古い時代の点滴セットだったら?
もっと針は太いはずだし、絶対に私の腕は耐えられない。。。
すぐに死んでしまう!
ということで、私、意外なところで「死んでしまいやすい体質」だったことが判明。
これ、努力では治せません。筋トレしても食事療法してもお酒止めても治せないです。。。
災害が起きた時。。。点滴を受けるようなダメージだけは受けたくないな。。。
それから、おじいちゃん(父)のミトン。。。わかる気がします。
痛いし、痒いし、くすぐったいし。。。思わず引きちぎりたいという衝動が。。。
「帯状疱疹の治療」とわかっているので自制できますが、認知症で何のために点滴を受けているのか分からないような高齢者は無意識に引きちぎってしまいますね。。。
おじいちゃん、大変だったんだね。。。