おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

断捨離15 家具から大金が!!

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No. 25

<2019年4月5日 私から長男へのレター>

いよいよおじいちゃん(父)の寝室の断捨離。

 

ここは将来、私たちの寝室になるので、ベッドや箪笥など、ほぼ全てを破棄する必要があります。

 

ここで、おじいちゃんと時としてもめ、時として思い出話に花を咲かせながら、黙々とゴミ袋に詰めていった、そんな場所です。

 

この部屋で圧倒的な存在化を示すのは、なんといっても大きなベッド。

 

これ、おじいちゃんが新築の時に特注したベッド。つまり約35年前にオーダーメイドで創ったものです。

 

えっ? ベッドがオーダーメード??

 

不思議に思うかもしれませんが、おじいちゃん、サラリーマン時代は台湾支店でバリバリの営業マンでした。

 

当時の台湾には世界の家具の下請け工場がいっぱいあったそうで、そういった業者にも顔の利くおじいちゃんは、”台湾で家具を特注”し、”日本へ輸出”し、新築の家に持ってきたのです。

 

引っ越し当初、私もまだ小学生だったので気が付かなかったのですが、ちょっと世の中を知ってから、おじいちゃんに聞いてみた。

 

私「輸出入の費用を考えると高くない?」

おじいちゃん「それでも日本で買うより安いんだよ」。。。さすが商社マン。

 

また、今でこそ引出し収納付きのベッドは普通ですが、35年前のベッドにすでに引出し収納が付いていたなんて!! これは当時から「便利だな~」と感心したものです。

 

さて、このベッドの上は、私たちの断捨離には欠かせない存在でした。

 

そう、「断捨離スタジアム」。

 

このブログでも話題になった、ゴルフ場の帽子、大量のネクタイ、写真のアルバム。。。これらは全てこのベッドにぶちまけて、おじいちゃんのウンチクや自慢話を聞ききながら断捨離したのでした。

 

ところで、ベッドはかなり最後の方で断捨離をします。ギリギリまで、おじいちゃんの寝床をなくすわけにはいかないからです。

 

つまり、おじいちゃんの新しい部屋、1階の部屋に新しいベッドを購入し、その直後からリフォームが開始されるのです。

 

なぜそんな段取りなのか?

 

大型家具は家屋の廃棄物扱いで産廃業者が一括で引き取ってくれるので、粗大ごみでわざわざ出す必要がないのです。

 

ということで、この日は昼からベッド周りを綺麗にして、上の布団を剥いだらもう産廃業者へ引き渡すのみというところまで綺麗さっぱりと。

 

そして夕方に新しいベッドを購入することに。

 

おじいちゃん、一緒にお店にまで連れてきたものの「お前に任せた」を連発。
仕方がないので、私がいろいろと吟味。。。。

 

そう、その時にようやく思い出したのです。

 

「そうだ! 新しいベッドも引出し収納付にしよう」っと。

 

そしてさらに思い出したのです。。。

 

「ああっ、家のベッド、引出し収納があったんだ!まだそこ断捨離してない!まだ断捨離が残ってる~~!! ひ~っ」

 

お店で新しいベッドの支払いを終え、リフォームが始まる前までに家に届くように交渉し、くたくたになって実家へ帰還。。。

 

3Fの寝室に駆け上がり、ベッドの状態を確認。
ダブルベッドの両サイドには、それぞれ2つの引出し収納。つまり引出し4つ分の断捨離が残っていました。

 

「今日は、ここまで終わらせておかなくてはっ」

 

出てきたのは亡き母の寝間着やタオル、おじいちゃんのアンダーウエア類でした。
「母の懐かし香りが残ってる」とはしゃいでいると。。。

 

「おっ、何か太っとい封筒が3つ出てきたぞ。。。」

 

「んっ? 銀行の封筒だぞ?」

 

。。。。。。。

 

「なんと帯付き100万円束、3束でないか!」

 

これこそ本当のお宝!
トレジャーハンター!

掘り当てた感、満載!

 

ドキドキしながら、さっそくおじいちゃんに聞くと。。。
「知らないなー」とか
「お母さんのかなぁー」とか言ってるし。。。

 

でも暫くすると。
「あっ、それは俺のだ。満期の保険金でいざという時用に置いておいたんだ」との事。

 

お母さんの寝間着に紛れて入っていたので、ずいぶん前にしまったの??

 

それにしても危うくこのまま産廃業社に出すところだった。。。
産廃業者の誰かが見つければまだしも、焼却処分だったら丸々損。。。。

 

先日、テレビのニュースで知ったのですが、日本国内の現金の落とし物はなんと年間80億円以上だって!

 

我が家のこの300万円のように、身内の死後に(おじいちゃんはまだ健在でしたが)断捨離をすると、タンス預金などがそのまま忘れられて破棄されることがしばしばとのこと。

 

断捨離業者のドキュメンタリーでも、よく現金や貴金属が出てきたら家族に引き渡すと言っていますが、本当なのかなぁ。。。。

 

身内の息子である私ですら「うわっ、黙っておこうかなぁ」っと悪魔の囁きが聴こえたぐらいですから。。。

 

後日、税理士の友人からもアドバイスを。これがもし亡き母の遺産だったりすると、ちょっとややこしかったそうです。つまり、遺産分割協議書に後から出てきた遺産の処分方法が明記されない場合、法定相続のルールにのっとり再度分割をしなくてはならないからですね。。。金額によっては相続税の追加納税も!

 

まぁ、とにかく今回は思わぬお宝物で、おじいちゃんも私たちもほっこり。

 

この現金の使い道は、「また後ほど」ということで。。。