おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

断捨離12 ゴミ箱と冷蔵庫がたいへん!

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No. 22

<2019年3月30日 私から長男へのレター>

断捨離で最悪だったのがゴミ箱と冷蔵庫です。。。

 

季節は過ぎ、夏近くになると喉は乾き、お腹も空きます。
そこを見計らってか、おじいちゃん(父)もいろいろと声を掛けてくれます。

「何か食べるか?」、「冷蔵庫に何かあるはずだぞ」

 

冷蔵庫。そう、実家の冷蔵庫はミラクルです。
昔、母が健在だった頃は、職業柄、お歳暮やらお中元やらで地方の名産が満載。
おじいちゃんが現役の会社員バリバリの頃もおおらかな時代でしたので。。。

 

下宿時代はよく実家からハムが大量に送られてきました。
ハムは保存食。短時間なら室温でも長距離輸送ができるからです。
これが貧乏下宿生だった私にはものすごいご馳走!
実家から送られてくる差し入れの段ボール箱は「玉手箱」と呼んでました。。笑

 

東京に戻って、結婚してからも、実家に遊びに行くと、冷蔵庫を漁り、ハムを見つけ、「持って帰っていい?」っと。当然、「いいよ、持っていきなさい」と。

 

ということで、この断捨離時にも冷蔵庫を漁ったわけです。。。

 

あった、あった、ハム、ハム、ハム!
大きくて旨そうなハム!
琥珀色に輝くハム、ハム、ハム!

 

やったーっ、もらったーっ!
子供達も大喜びだーっ!
今夜は家族全員で分厚いハムステーキだーっ!

 

っと。。。。ところがである。。。
賞味期限。。。。2年前。。。

これも、あれも、こっちも。。。

 

これはおじいちゃんの認知症のせいだけではなく、私たちが2年もの間、実家でご飯をご馳走になっていなかった(=おじいちゃんをほったらかしていた。。。)という事。

 

ごめんなさい。おじいちゃん。

 

それにしてもあるわあるわ、賞味期限切れ、あるいはそれを超えた異物が。。。
たくさんのヨーグルト。発酵食品ですが、さすがに危なそう。。。
梅干しはミイラになってた(=しばらく風邪ひいてないってこと?)

 

そして最悪だったのはゴミ箱。。。

 

ショウジョウバエがブンブン。。。
これに見舞われたかみさんは思わず「きゃーっ、私、無理っ!」

 

はい。ショウジョウバエブンブン。
彼らがゴミ箱からブンブンと出てくるってことは、そこにある程度のコミュニティが完成されているということ。
もちろん、子供達もウヨウヨいるし、子供になる前の丸いのもあるし、大人になる前のツブツブもあるし、抜け殻もあるし。。。

 

どうやってここまで放置されたのか???

 

次のように推理してみた。

1.大家族なので生ゴミがいっぱい出るから大きなゴミ箱が大活躍!
2.家族が徐々に減り、いつしか生ごみが少なくなり、ゴミ箱の中はスカスカに!
3.スカスカのゴミ箱なので、いっぱいになるまではゴミ収集日に出さない!
4.偶然、夫婦のショウジョウバエがこの環境を発見! 結婚し指数関数的に増殖!
5.ゴミ収集日がいつだかもわからくなってきたので、さらにゴミ捨てない!
6.家にはショウジョウバエの外敵はいないので、さらに指数関数的に増殖!
7.おじいちゃん、だんだんと清潔感を失い、ショウジョウバエの存在が気にならなくなる!
8.いつしかショウジョウバエの一大コミュニティが完成!

 

たぶん間違いない。

 

それにしてもショウジョウバエは小賢しい。
部屋にブンブン飛んでいたら気が付くものの、全く飛んでいない。

 

つまりゴミ箱という小さな世界に完結した生活圏を築きあげていたのである。
この小さな空間で生まれ、そして青春を過ごし、めでたく結婚し、出産を経験、大冒険をしながらエサを見つけ、そして短い一生を終えて死を迎える。
彼らの全一族は輪廻転生をこの狭い空間で繰り返していたのである!
凄い!ショウジョウバエ
ここに住んでいるのは皆兄弟!

 

ということで、1匹ずつ退治するのも面倒なのでゴミ箱ごと燃えるゴミに破棄っ!

 

そう、冷蔵庫とゴミ箱は認知症バロメーターです。遠方のご家族の皆様、忘れずにチェックです!