おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

相続税8 小規模宅地等の特例で土地価格8割減額

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No. 202

<2021年9月1日 私から長男へのレター>

さて、都会にある土地の価格は、同じ面積でも郊外の土地よりも高額になるのは仕方ありません。前回で触れましたが、不動産業者が考える売買価格は需要と供給のバランスで決まりますので、好条件であれば価格が吊り上がり、それに引きづられて路線価も上昇します。

 

また、20年程前でしょうか、土地バブルで土地価格が高騰し、相続税が膨大になったため土地を切り崩して相続税に充てる、あるいは土地を全部売却して引っ越さなくてはならない、そして相続人が多い場合は新しい家を購入することもできないなど。。。いろいろと社会問題があったかと思います。

 

実は、そんな最悪の事態を条件によっては避けることのできる大事な制度があります!

 

そう、「小規模宅地等の特例」です!

 

条件に合致すれば、なんと土地価格が8割減額されるという優れものです!

 

これは先にご説明したように、相続税の為に住む場所が無くなってしますような事態を避けるための制度であり、例えば身寄りのない未亡人などには、本当に重宝される制度です。

 

条件は以下の通り。ここでは多くの方が利用されるであろう「宅地」の場合を記載します。

  • 面積は330平方メートル以下の土地が対象です。
  • 「同一生計」で「同居」していた「親族」である相続人である土地が対象です。

 

面積の制限は致し方ないにせよ。。。

「同居」というKey Wordが非常に重要になります。

みなさんの中にはこれに該当してないかもしれないと不安になる方がたくさんいらっしゃると推察します。

 

実際、我が家の場合も、おじいちゃん(父)との同居はわずか3年間強で、しかも後半は老人ホームで同居してませんでしたので、これは果たして同居なのか? また我が家は3世帯住宅(私達、おじいちゃん、伯母でそれぞれ同一住所で世帯主)でしたので、果たしてこれを「同一生計」と言っていいのだろうか?

 

この制度に乗れるか乗れないかで支払う相続税が大きく変わるので、とても緊張する調査になりました。。。ちょっと間違えたらたいへん!ヤブヘビな事もしたくない!

 

で、ネットを調べると嫌な文言がいっぱい溢れてます!

「税務署では絶対に相談しないでください。まずは私達、税理士にお任せください!」

「申告内容を疑われると、税務調査が入ります。まずは私達、税理士にお任せください!」

相続税の申告は素人には困難。まずは私達、税理士にお任せください!

 

また、ネットにもいろいろと解釈が書いてるのですが、ネットを過信するわけにもいかず、書いてある条件も微妙に異なったり。。。

 

私のケースでちょっと良かった点は大学の友人に現役の税理士が3人いた事でした。

ただ、税理士さんにも専門があるそうで、法人専門だったり、自営業者専門だったりと。

その中で一人、一般の相続を専門とする方がいたので、いろいろと相談をしました。

 

結論は以下の通り。

  • 2世帯住宅、3世帯住宅でも同じ住宅内であれば同居とみなされる。
  • 老人ホームの入居の場合も、相続人がその住宅に住んでいるのであれば同居とみなされる。
  • 同居の証明は住民票で確認される。同居の期間は特に規定はないが、時々様子を見る程度ではNG。

 

ということで、我が家はこの制度が使えると確信したのでした(税務署での無料相談の話は、後程触れます)。

 

みなさん、お気付きかと思いますが、実はこの制度で土地の評価価格が「8割減」になる事が分かった時点で、多くの方に相続税が発生しない状況になるのです。

これは「ホッ」とする瞬間!

 

一方、既に片親で、かつ遠方に住んでいて、親族の誰も同居していない方は非常に不利な状況になります。。。

 

制度自体が、「資産の維持・確保」を目的としたものではなく、「今まで一緒に住んでいた方が相続税の支払いで住むところを失う事を防ぐ」というものですので、致し方ないといえば致し方なしです。。。

 

もし「資産の維持・確保」をしたい場合は、相続人のどなたか一人が同居している事実が必要になるので、勤務地を変える(大企業の場合は介護を理由に勤務地の変更も考慮されるかもしれません)という方法もあるかもしれません。

土地そのものに大きな価値が無い場合は、このようなお金絡みの嫌な心配ありませんが。。。

 

なお、この条件の一つ「親族」は非常に重要な定義になります。

基本的に「血縁関係」が無いと親族になりませんので、例えば亡くなった方が再婚していたとして、相手の連れ子が実子でない場合は「親族」にはなりません。法定相続人にもなれず、ここにある「親族」にもあたらないので、いくら同居して、いくらお世話をしても「同居した親族」にはならないのです。

 

こちらも、後程、詳しくお話ししたいと思います!

 

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