相続税5 土地評価の調整率を知る
No. 199 <2021年8月21日 私から長男へのレター>
いよいよ土地価格の「調整」に入ります。相続税の手続き向けの「調整」ですが、読めば読むほど「なるほど、なるほど」と思う算出方法です。
1つ目は「奥行価格補正率」。
道に接する部分の長い方を間口といい、それに対する奥行の長さで「調整」します。正方形に近い程、間取りの多い家を建てやすく、駐車場や庭なのどの設置がしやすいですよね?
一方、奥行きが長いほど、短いほど、そういった工夫が困難で相対的に価値が低くなります。つまり細長い形の土地ほど価格が安くなるように「調整」する仕組みです。「不便な土地はなかなか売れない=安価になる補正」ということになります。
ひし形だったり台形だったり歪な土地はどれが奥行?ってなりませんか?
実はとても簡単に算出します。前回、ご説明した土地の面積を単純に間口で割るのです。それをここでの計算で使う「奥行」と定義するのです。
こんないい加減な計算で良いのでしょうか?
良いのです。。。(笑)
まずは大雑把にこの数字を使って条件を固定し、その後、加味されていないいろいろな条件に付いて複数の「調整」が入ってきますので、ご安心(?)ください!
最初、私も知らずに定規を片手に線を引いて「このへんかなぁ~」と「奥行」を勝手に算出していたのですが、税務署での相談時に税理士さんに教えてもらいました。拍子抜けでしたね(笑)。
2つ目は「側方路線影響加算率」です。
土地が2面以上の道路に面している場合の加算率です。
道路に多く面している土地の方が駐車場の設置や、玄関の設置の自由度が大きく、買手としては魅力的ですよね?なので十字路、T字路、L字路の場合は調整で加算される「調整」が入ります。
ちなみに土地の表と裏の二方が道路に面している場合は「二方路線影響加算率」が掛かります。こちらも便利な土地になりますよね?
我が家は地図上では「T字路」の角地でした。
なので、加算表を見ると0.03(土地評価格×1.03)。
ところが、今回法務局から入手した資料をみると、道路を挟んだ向こう側がなんと全部私有地であることが判明したのです!
つまりT字の一方の道が私有地だったので、「L字路」の角地だったのです!
よって加算表を見ると0.02(土地評価格×1.02)。ちょっとだけ安くなった?
このT字路の入り口の電信柱に「私有地につき通り抜け禁止」という看板があったのですが、昔から「これ何だろう?」と思ってました。「そういう事だったのかぁ。。。」って。
法務局の図面を見ると、かなりの面積が私有地になっています。
この辺りは江戸時代に武家屋敷があったので、その末裔の方の土地?今住んでいる方達は借地権付きの土地として購入し家を建てた?
ほんとにびっくり。。。こんな事が無ければ一生知る事は無かったでしょう。。。
とりあえず、おじいちゃん(父)の土地に該当したのでは上記2つですが、ガイドを読むと他にもいろいろあるので主なものを紹介します。
「間口狭小補正率」:道路に面した間口から通路を通ると奥に大きな土地がある場合です。こちらも買い手としては駐車場が設けられない等、不便ですよね?
「奥行長大補正率」:細長すぎる土地です。「奥行価格補正率」でも説明ましたが細長過ぎると価値が下がるようです。間口に対する奥行の比でさらに「調整」がされます。
「がけ地補正率」:崖の近くの土地です。昨今の大雨による土砂崩れのリスクを考えると自明ですね。
実は上記で紹介した「調整」の数字は土地の「地区区分」によっても、さらに個別に設定されています。
普通の我々の住む住宅の多くは「普通住宅地区」ですね?我が家もそう。
でもよく考えたら色々ありますし、それぞれの土地周辺について行政が指定しています。
「ビル街地区」、「高度商業地区」、「繁華街地区」、「中小工場地区」、「大工場地区」などは多少細長くても需要があるのであまり軽減されません。「大工場地区」でみると、「間口狭小補正率」が小さい程、安価な調整が入ります。きっと、大型トラックが横付けしにくいからですね。
「調整」はさらに続きます。
もう少しお付き合いくださいませ!
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