相続税10 債務・葬儀費用は控除!
<2021年9月8日 私から娘へのレター>
次に個人が抱えていた債務(借金)はどうなるのでしょうか?
本人が抱えている借金については、そのまま法定相続人に相続され、支払う義務が出てきますので、遺産から相続税を引いた分から、その借金を返済することになります。
一方、借金が多額で、資産から相続税を引いた分でも支払えない場合はどうするか?
この場合は、相続放棄すれば大丈夫です。その代わり、本人の預金や土地建物は差し押さえられますので、事実上、遺産相続はなくなります。ただ、差し押さえられた資産よりも借金が多い場合でも、相続放棄してしまえば、法定相続人への請求はきませんので安心ですね。法定相続人が故人と一緒に住んでいた場合は、住む場所を失うことになりますが、借金地獄の落ちることなく生活ができるだけラッキーかもしれません。
おじいちゃん(父)の場合はもちろん借金なんかありませんので、可愛らしい債務でした。
例えば、「借入金」。これは先ほどの「借金」にあたりますが、おじいちゃんの場合は「立て替えたお金」と言った方が正しいです。
断捨離編で触れましたが、おじいちゃん自身の生活で使った、ガス、水道、電気代、新聞代、食費(私の家族は2階に住み、おじいちゃんは伯母と1階で別世帯として暮らしていました)、そして後半の老人ホーム代は、全ておじいちゃんが支払うよう取り決めていたので、銀行引き落とし、クレジットカード払いで、私たち家族の建て替えは無く、借金知らずでした。
こちらも断捨離編で紹介しましたが、机の引出しから出てきた現金は、おじいちゃんが幹事をしている小学校や高校の同窓会で預かった会費でした(合計20万円程度)。また、私達が同居する前に、伯母が立て替えたおじいちゃんのお酒代(酒屋の御用聞きが定期的にウイスキーを届けてました。。。)ですね(伯母の記憶では20万円程度)。これらはおじいちゃんの資産からは控除されます。
実はこれらの申告には領収書が必須ですが、同窓会の会費や伯母の立て替え分は領収書もメモの残っておらず、完全に申告のみだったのですが、税務署に相談すると、とりあえず紙にメモして「領収書紛失」と書いて出しておいてくださいとの事でした。
次に「公租・公課」と呼ばれるもので、没後に請求される公共料金の支払いです。健康保険料の請求や、都民税・住民税の未納分の請求書が「相続人様=私」宛てに送られてきます。こちらも資産から控除されますので、家族が代わりに支払うことはありません。
「その他」は?おじいちゃんは入院先で亡くなったので、病院からの請求や先ほど触れたカード払いの請求になりますが、こちらももちろん控除されます。
最期に最もインパクトがあるのが「葬式代」です。
葬儀費、戒名代、お布施、葬式に必要な交通費(菩提寺や火葬場までのタクシーや電車代)が控除の対象なのです!
注意が必要なのは、葬儀費は「純粋に葬儀にかかった費用」であり、香典返しの品々や食事代(通夜振舞い、精進落とし)、お祭壇を彩るお花や供物代、死亡通知ハガキなどの費用は控除されません(これらは、無くてもなんとか葬式はできるので)。
「葬式代」については、税務署から領収書明細を出すよう言われるので、支払金額の内、「純粋に葬儀に掛かった費用」のみを申告しましょう。ちなみに、タクシー代や電車代の領収書はありませんでしたが、こちらもとりあえず「領収書紛失」で提出しました。
もう一点、戒名代とお布施ですが、葬式編で活躍した生臭坊主、ここでも領収書を出し渋っていました。。。(笑)。寺を経由したお布施や戒名代の行先はいろいろとあると思いますが、やはり領収書に残ると後々税務調査などで不都合になるのでしょうか。。。?
「相続税の申告に必要なのでどうしても作成して下さい!」と押し切って、領収書を作成して頂きました。もしかしたら、ちょっと面倒くさい感じのご住職は出してくれないかもしれませんねぇ。。。
これらの控除関係の領収書はきちんとリスト化した明細を表紙にし、全領収書を紙に貼って提出します。きれいに書類が揃うと気持ちが良いものですね。達成感!
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