おじいちゃん介護のお手紙メモリー

おじいちゃん介護のお手紙メモリー

数年間に渡る父の介護が、父の死去とともに終わり早1年、いろいろあった出来事をイラスト・レターにしたため、介護に協力してくれた3人の子供たちにちょっとずつ送ることにしました。ただ送ってももったいないので、ブログに記録し、同じような介護生活を過ごしている方々に紹介しようと思いました。いつまで続くか、どこまで書けるかわかりませんが、笑いあり、苦労あり、涙ありの介護生活をどうぞご覧ください。

お葬式 7 ようやく戒名授与

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No. 187

<2021年7月10日 私から長男へのレター>

さて、生臭坊主(おっと、失礼!)こと、菩提寺のご住職からようやく戒名を賜る事に。49日の法要(いよいよ納骨)の日程調整を兼ねて電話でお話しです。

 

以前、ご紹介した通り、不愛想極まりないご住職なので、「Faxで故人の生涯の生き方、好きな事、尽くした事などを書いて送って下さい」とそっけない指示。。。

 

母の戒名をお願いした時は、おじいちゃん(父)と一緒に考えたので、コツは得てましたので、早速、かみさんと相談。

 

「母とはとっても仲良かったな~」とか、

「新しいモノ好きで、ビデオや衛星放送など、何でも発売直後に購入してたな~」とか、

「旅行が大好きで、定年退職後は母と世界各国を旅してたな~」とか、

「歳をとってもいつも上昇志向で勉強を怠らず、感心だったな~」とか。。。

 

ということで、おじいちゃんの戒名の中には上記を上手く表現したぴったりな漢字が入り、とても素敵な仕上がりになったのでした。

 

父は母の戒名に自分の名前の一文字入れたので(ラブラブです)、父の戒名には私達のリクエストで母の名前の一文字を入れて貰いました。

かなり素敵な戒名。。。ここで公表できないのが残念。。。

 

思わず、「この生臭坊主め~っ、上手く作りやがって!」と、いつもの悪態とはならず、不覚にも大きな尊敬の念が満ち満ちてしまった(笑)

もしかしたら、おじいちゃんは死ぬ前の元気な頃に、この素敵な戒名を住職と決めていたのでは?っと思ってしまうくらい。。。

 

さて、戒名に対するお布施の話も出てきます。泥臭い話ですが避けられない。。。

生臭坊主(おっと、失礼!)からは、「お母さんと同じ「位」なら〇万円が目安です」と大金をあっさりと要求されます。

 

戒名についても、なかなか知らない方がいらっしゃると思いますが、ここで少し説明します。

本来は仏陀の弟子達の「修行の過程」によるグレードのようなものだったようです。「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」理論でいうと、仏陀さまにしてはあまりに不平等な制度ですが、そもそも弟子の出来の良し悪しを表すための「位」?なのですから(←厳密にはたぶん違うと思いますが。。。)、我々凡人にもこんな立派な戒名が付くなんて、仏陀さまも当時は想定してなかったかと思います(笑)

 

いろいろと人に聞くと「まぁ、一般人なら生前の菩提寺に対する貢献度が評価されるのでは?」ということで、お布施(=貢献度)が一番直近の貢献度で分かりやすいのかもしれませんね。。。ただし、これは生前でなく、亡くなった後なのですが。。。いや、納骨前(49日中)なので現世ですね。。。(笑)

 

もちろん、菩提寺を持たない、あるいは遠方で急な葬儀の際も、その時に葬儀を執り行ったお坊さんには、ほんとうの気持ち程度の額でも立派な戒名は付けてくれるそうです。今やネットでもお布施を振り込めば戒名を作ってくれるという時代ですからね。。。

 

とはいうものの、おじいちゃんは昭和生まれの根っからの江戸っ子です。

生涯を通じて、菩提寺への仁義はしっかり通してきた人です。

 

母の戒名作りの際、私にはまったく理解できないお布施の金額だったので、お恥ずかしながらおじいちゃんに思わず「これはぼったくりでは?むちゃな言い値じゃないか。交渉できないの?」と訊いてしまいました。

おじいちゃんは、ぼそっと「お母さんの遺した遺産でまかなうんだからお前が心配することではないだろう」と即答で一蹴。。。

 

当時は「う~~ん?」と思いましたが。。。

 

それから数年経ち、一族の法要などを父に代わって何度も執り行っていると、「我々は菩提寺に対しこれまで何を貢献しただろうか?」という想いを馳せられるように成長し。。。

日常のお勤めは当然として、お墓の掃除、時として工事や整備、お堂の維持管理、法事のお知らせなど、そしてご住職も家族や通常の生活があるわけですし。。。

 

どこからお金が出ているのか。。。? っという疑問。。。

月極めで納めてるわけでもなく、年会費があるわけでもなく。。。

 

そして答えは「そっか、お布施だ」。

「法要・法事で一括払い」だったんだ!

 

49日を過ぎると、1周忌、3回忌、7回忌ですから、納めたお布施を年間費で考えると、なるほど大した金額ではないです。しかも弔問者からはお香典だってちゃんといただいているんですしね。

 

お布施をケチるとどうなるか?

1人2人ならまだしも、大勢がケチるとお墓は荒れ放題、お堂の設備も定期的なリニューアルができず朽ち果て、お仏像の埃も払えず。。。結局、不利益は檀家に返ってくるのです。

 

だから「檀家のお楽しみ会」って、ご住職にはとても大事だったんだな~っと、あらためて気が付き、ちょっぴり寛大な気になってきました(笑)

 

ということで、おじいちゃんのお戒名は、おじいちゃんの遺産(葬式代として生命保険にきちんと入ってました!)から全額用立てるので「言い値」で対応しました(笑)。

まぁ、ほんとうに良い戒名を頂いたので、おじいちゃんもこれなら納得でしょう!

 

なお、「お布施」もそのままご住職の懐に入るわけではないそうです。

地区の宗派事務局を通過して本部へ集金。。。

そのお金は時として、どこかで困っているお寺に補填されている(共済保険のような感じ?)とも聞いてます。それなら納得、喜んで!

 

ちなみに。。。

若き日のお仕事での接待時、いわゆる夜のクラブに小坊主2名(20代そこそこの若造?)を連れだった、いかにも高僧の装束と風貌をした生臭坊主が堂々と入って来て、30分程歓待を受けて出ていくのを見たことがあるのですが、まさかこんなところにお布施が使われていないことを祈るばかりです。。。

 

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